2007年08月15日

風邪引きました

 一昨日くらいから喉が痛かったり変な咳が出たりと、どうも軽く風邪を引いた感じであります。
 日常生活にはさほど障りませんが、しばらく忙しい日々が続くので悪化しないよう養生しておこうかと。

 「ビーム」の感想とか書いておきたいところですが、もうちょっと体調が落ち着いてからかしらん。
 とりあえず、今月は上野顕太郎「夜は千の眼を持つ」が素晴らしかったなあ、と。
 山川直人「コーヒーもう一杯」のパロディなのですが、最初は「夜千」だと気づかぬまま読んでいて「山川直人は今月ハジけてるなあ、こういうネタもイケるんだなあ。ウエケンみたいだけど」と思ってしまいました。いや、まさにウエケンだったわけですが。素晴らしい。

 後はやはり「アベックパンチ」が毎号楽しくてたまりません。ガチホモ疑惑浮上で一体どうなるのか。

 後は今頃になって「コミックブレイド」に水上悟志が短編を書いていると気づいたので購入。
 「妖狐小歌」。人間に狙われた妖狐の女の子と、彼女を助けた男の話。飄々とした男のキャラクターが水上節ですね。
 短編に非常にキレがある水上悟志ですが、この作品も非常に綺麗にまとまっている印象。
 このキャラを使っていくらでも後に話は続けられそうでもあるのでひょっとしたら「ブレイド」でも連載とかあるのかしら。
 しかし、水上先生は異能力バトル物をやりたいのかしら。

 そんな感じでだらりとした感想でお茶を濁してみたり。
 風邪気味なれば手抜きにて。
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2007年08月12日

漫画ナツ100

「酔拳の王 だんげの方」様の企画「漫画ナツ100」に参加してみよう、ということでリスト作ってみました。

アキヨシカズタカ『双月巫女』
あらゐけいいち『日常』
アントンシク『ガゴゼ』
石川雅之『人斬り龍馬』
石川雅之『カタリベ』
石川雅之『もやしもん』
石川雅之『週刊石川雅之』
石黒正数『それでも町は廻っている』
石塚真一『岳』
伊藤静『福助』
イダタツヒコ『美女で野獣』
入江亜季『群青学舎』
岩明均『ヒストリエ』
岩明均『雪の峠・剣の舞』
植芝理一『謎の彼女X』
ウエダハジメ『Qコちゃん 地球侵略少女』
上野顕太郎『夜は千の眼を持つ』
漆原友紀『蟲師』
大石まさる『みずいろ』
大石まさる『水惑星年代記』
大塚英志/森美夏『北神伝綺』
大塚英志/森美夏『木島日記』
大西祥平/中里宣『涅槃姫みどろ』
大和田秀樹『ドスペラード』
かかし朝浩『暴れん坊少納言』
kashimir『○本の住人』
kashimir『百合星人ナオコサン』
カトウハルアキ『夕日ロマンス』
カトウハルアキ『ヒャッコ!』
金平守人『金平劇場』シリーズ
カラスヤサトシ『カラスヤサトシ』
河合克敏『とめはねっ!』
河田雄志/行徒『学園革命伝ミツルギ』
きづきあきら『メイド諸君!』
きゆづきさとこ『棺担ぎのクロ。懐中旅話』
くぼたまこと『天体戦士サンレッド』
熊倉隆敏『もっけ』
西原理恵子『できるかな』
桜玉吉『しあわせのかたち』
桜玉吉『幽玄漫玉日記』
佐藤信『ソードゲイル』
佐藤大輔/伊藤悠『皇国の守護者』
佐野絵里子『たまゆら童子』
佐原ミズ『マイガール』
ざら『ふおんコネクト!』
施川ユウキ『サナギさん』
シギサワカヤ『箱船の行方』
小竹田貴弘『怪異いかさま博覧亭』
東雲太郎『キミキス various heroines』
篠房六郎『家政婦が黙殺』
柴田ヨクサル『ハチワンダイバー』
志水アキ『怪・力・乱・神クワン』
志水アキ『異郷の草』
G=ヒコロウ『不死身探偵オルロック』
山田風太郎/せがわまさき『バジリスク』
高橋慶太郎『ヨルムンガンド』
滝沢解/ふくしま政美『女犯坊』
滝沢聖峰『ガンズ&ブレイズ』
武梨えり『かんなぎ』
田丸浩史『ラブやん』
地下沢中也『預言者ピッピ』
土山しげる『喰いしん坊!』
都留泰作『ナチュン』
D・キッサン『共鳴せよ! 私立轟高校図書委員会』
中嶋ちずな『いいなり! あいぶれーしょん』
中山昌亮『不安の種』
中山昌亮『泣く侍』
長谷川哲也『ナポレオン 獅子の時代』
羽生生純『恋の門』
原哲夫『公権力横領捜査官中坊林太郎』
蕃納葱『教艦ASTRO』
日坂水柯『レンズのむこう』
久正人『ジャバウォッキー』
平田弘史『それがし乞食にあらず』
平田弘史『血だるま剣法・おのれらに告ぐ』
平田弘史『薩摩義士伝』
平田弘史『首代引受人』
深巳琳子『沈夫人の料理人』
福島聡『少年少女』
藤田和日郎『邪眼は月輪に飛ぶ』
藤見泰高/カミムラ晋作『ベクター・ケース・ファイル』
武論尊/池上遼一『覇−LORD−』
星野之宣『宗像教授異考録』
水上悟志『ぴよぴよ』
水上悟志『げこげこ』
みなぎ得一『足洗邸の住人たち。』
三宅乱丈『イムリ』
三宅乱丈『ぶっせん』
宮下裕樹『正義警官モンジュ』
諸星大二郎『諸怪志異』
安永知澄『やさしいからだ』
山口貴由『蛮勇引力』
南條範夫/山口貴由『シグルイ』
山田芳裕『へうげもの』
やまむらはじめ『神様ドォルズ』
横山光輝/今川泰宏/戸田泰成『ジャイアントロボ 地球が燃え尽きる日』
湯浅ヒトシ『耳かきお蝶』
結城心一『ひめなカメナ』
結城心一『ももえサイズ』
友美イチロウ『みーたん』

 「読む」ことを考え、入手しやすいよう、なるべく新しめの作品を多めにするつもりで選んでいたのですが、結果的には新旧入り交じる形に。中でも一番のお薦めはなんと言ってもカトウハルアキの2作品。しつこいようですが是非読んでいただきたい。


 とにかくアレも入れたい、コレも入れたいとなってしまって、100作品だけに絞るのはなかなか大変でした。
 時間があればそれぞれの作品について寸評でも付したいところであります。

 そして、お気に入りキャラクター10。
 
岩本虎眼(『シグルイ』山口貴由)
紅夕暮(『夕日ロマンス』カトウハルアキ)
上下山虎子(『ヒャッコ!』カトウハルアキ)
嵐山歩鳥(『それでも町は廻っている』石黒正数)
バロネス・オルツィ(『足洗邸の住人たち。』みなぎ得一)
ハンター錠二(『喰いしん坊!』土山しげる)
ミネルヴァ(『邪眼は月輪に飛ぶ』藤田和日郎)
ココ・ヘクマティアル(『ヨルムンガンド』高橋慶太郎)
死神ももえ(『ももえサイズ』結城心一)
ナギ(『かんなぎ』武梨えり)

 逆にこっちは10人選び出すのに苦労した感が。
 日をおいて選んだらまた違ったラインナップになっているかもしれません。

 いやしかしこの企画は結果も楽しみですが、選んだ人の趣味が如実に出ていて他の方のラインナップを見るのが楽しいですね。


集計用ファイル
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2007年08月11日

竹林月『ことこと。〜子と孤島〜』1・2巻

 東京から遙か南に位置する孤島・琴古島に赴任してきた新任教師・渚青子。
 青い空と海を擁する島を舞台に、彼女と島の人々との愉快で人間味あふれる交流を描く作品。
 「Webコミックスブラッド」連載中。

 1巻の時に感想を書いていなかったので2巻の発売を期に2巻分の総評ということで。

 教師でありながらどこか子供っぽさを持ち、元気でサッパリとした性格の青子。
 ギャグあり、人情ありで描かれる話の中で元気いっぱいに活躍する青子がとても魅力的。
 黙っていれば美人で通りそうなのに、登場シーンから船酔いでゲロゲロと戻してしまって「カエルちゃん」というあだ名を付けられてしまったり、子供達と本気で張り合ったり、でも先生としての優しさをきちんと持ち合わせていたり。常夏の島の中で青子のキャラクターは実に映えます。
 そんな青子と個性豊かな島民達との交流が活き活きと楽しげに描かれております。

 ずっと続く夏、南国の美しい自然、純朴で優しい人々と青子が暮らす琴古島は一種のユートピアでありますが、そこら辺を衒い無く真っ正面から「ステキなもの」として描いているので、読んでいる方は非常に気持ち良く、素直に「ああ、いいなあ」と思えてしまう魅力があります。

ことこと。~子と孤島~ 2巻 Flex Comix (Flex Comix)ことこと。~子と孤島~ 2巻 Flex Comix (Flex Comix)
竹林 月

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2007年08月10日

武梨えり『かんなぎ』3巻

 へっぽこ愉快なコメディを展開しつつも、ナギ様は一体何者であるのか、という謎を巡ってシリアス方面にも話が転がり始める第3巻。

 つぐみのうっかり発言によって同性愛者疑惑が持ち上がってしまった仁。つぐみの暴走っぷりや、周囲の無責任な面白がりっぷりが愉快。
 その誤解を解くべく頑張るつぐみ。幼なじみキャラとして健気に仁のことを想っている彼女ではありますが―――なかなか報われない不憫なキャラであります。

 仁の裸を目撃してしまった後のつぐみとナギの「子供の頃とはもう違うんだなー…って」「興味がある」という会話や、その後に続く生まれたままの姿の赤ん坊の仁の写真を見ての
「この頃とはもう違うということですね」
「成長とは驚くべきことじゃのう」
「仁 かわいかったのよ」
「今は?」
「今もかわいい」
「おおー」
 という一連のやりとりなど、お嬢さん方、一体何を言っているのですか感あふれる愉快さは素晴らしいものがあります。そうか、仁は「子供の頃とはもう違」っているけど今でも「かわいい」のか……。
 それにしても、裸を見られてしまったり羞恥プレイの的になってしまったりと、実は女性陣よりも仁の方が「ヒロイン度」は高いのかも知れません。

 そんな中、ひょんなことからナギが失踪。
 自分が何者なのか説明することができず、仁の心にもナギは本当に神様なのかという疑惑が。
 それらの問題を乗り越えて、仁とナギの関係は一つ進展しますが―――うれしはずかしの展開の中、やっぱり報われない役どころのつぐみが不憫でなりません。

 そんな感じで微妙にシリアスな方向に展開しつつあるストーリーを妙な間が魅力的なギャグで包んだ本作。この3巻の後も物語の核となる謎に触れるシリアスストーリーが展開されていくわけですが―――今月号のREX(07年9月号)を見るに、またギャグに戻っていたりとやはり土台としてギャグは捨てない模様。
 カラオケの回などでも発揮される妙な味のギャグセンスとか堪らなく好きです。すっきりとした線で綺麗で可愛らしい絵柄でありながら、この辺の妙なセンスは何というか非常にクセになります。

かんなぎ 3 (3) (REX COMICS)かんなぎ 3 (3) (REX COMICS)
武梨 えり

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2007年08月08日

「コミックガンボ」vol.30・31合併号

 「ガンボ」は配っているところに出くわしたらもらうようにはしていますが、微妙に時間帯がずれると駅前で配布していなかったりで歯抜けでしかチェックしていなかったり。
 そんなガンボですが、今号からあの「ゲームセンターあらし」が復活ということで――

すがやみつる「サラリーマントレーダーあらし」
 時を経てあの「あらし」も三十路に突入し、今やしょっぱいサラリーマン。奥さんの出産を控えて自分の収入に不安を覚えたあらしは一攫千金を夢見て株に手を出すことに。株についての知識の無いあらしはかつてのライバル・さとるに教えを請い、株の世界に挑むが――

「えええ〜っ? に 妊娠したあっ?」
「ツワリがひどくてしばらくのあいだ共稼ぎは無理だって〜〜っ?」
「えええ〜っ? 残業代カットのうえに地方税が増税〜ッ?」
「変動利率にしていた住宅ローンの金利も上昇〜ッ?」
「世の中どうなってるんだ? 何とかして稼がなくちゃ首をくくるしかなくなる……」
「でもどうやって稼いだらいいんだ……?」

 しょっぱい! のっけからしょっぱいですよあらしさん! かつての英雄の面影はみじんも無く、ただのうらぶれたサラリーマンとしてあらしさんの懊悩がいきなり綴られております。そんな金銭になやむあらしさん、電車の吊り広告で株の記事を見つけると

「……ん? か 株……?」
「30万円が1年で5億円?」
「こ これだ!」

と射幸心丸出しで株に目をつけます。家庭があるというのにこの決断。……あらしさん……。
 その後は

「株ってどこで買えるの? 八百屋じゃないよね?」

 などという哀愁を感じさせるギャグを差し挟みつつ、株のド素人が「株とはどういうものか」を追っていく感じに。
 炎のコマも水魚のポーズもムーンサルトも出てきません。あ、炎のコマは見開きで出ていますが話には絡んでいません。
 本当に普通にユルめの株式入門漫画、といった感じであの「あらし」である必然性はほとんど感じられず。

 あのあらしがデイトレーダーをやるのであれば
「炎のコマー!」
「!! 株価がどんどん上がっていく!!」
 みたいな展開を期待していたのですが、色々と拍子抜け感漂うお話に。

 とりあえず、英雄の落日は見たくなかったなあ、と。
 まっとうな株式レクチャー漫画として行くのか、どこかでハジけるのかはわかりませんが、協力に証券会社が名を連ねている辺り、レクチャー漫画として続いていくのかしら。うーーーん。
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2007年08月05日

石黒正数『それでも町は廻っている』3巻

 メイド喫茶「シーサイド」に集う面々を中心に、町内で起こるイベントをおバカに、ちょっぴりノスタルジーも込めてご近所感たっぷりに描くコミック第3巻。

 この3巻では主人公・歩鳥が学園祭でタッツンや紺先輩らとバンドを組んでみたり、一人で喫茶店のする番をしてみたり、妹のサンタクロースの夢を守ろうと奮闘したり、メイド探偵として活動してみたり、ミステリ好きとなった原因の過去の話が語られたり、目玉料理開発のために頑張ってみたり。

 主人公歩鳥のアホの子っぷりに、ツッコむ者あり、ノっかる者あり登場人物がそれぞれキャラごとに異なる反応・対応をするのがとにかく楽しい。
 うーん、やはり歩鳥さんのアホの子っぷりの楽し可愛さは素晴らしいものがあります。
 「ワン・オア・エイト(イチかバチか)」という言い回しは是非日常生活でも使っていきたい感じであります。

 そして、28話「ツッコミじいさん」ではメイド長の亡くなった旦那さん(じいさん)が登場。笑わせつつもいい話に仕上げる――かと思いきやまたラストに一ひねり入れる辺りが実に心憎い。
 他の話でも若かりし頃のメイド長が歩鳥に向ける眼差しなど、合間に何気なく挟まれる優しさというか「いい話」分とギャグの兼合いが絶妙で素晴らしい。これらの積み重ねが作品全体の居心地の良い雰囲気を醸しているのでありましょう。
 また、町という限られた舞台の中で細かいリンクをしてたりするので、読み返してみると新たな発見があるかも。

 あと、亀井堂の太眉お姉さん・静さんは大変にかわいいなあ、と思うのです。

それでも町は廻っている 3 (3) (ヤングキングコミックス)それでも町は廻っている 3 (3) (ヤングキングコミックス)
石黒 正数

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2007年08月04日

石黒正数『Present for me 石黒正数短編集』

 「それ町」の石黒正数のデビュー作や「コミックフラッパー」に掲載された作品を収めた短編集。

 孤島の超能力研究所に集められた少年少女が、研究所の崩壊によりサバイバル? を開始する「ススメ サイキック少年団」

 動けなくなったロボットと少女の出会いを描いた「Present for me」

 リストラおやじが唯一の特技である投げ縄を活かし、ヒーローとして活躍? する「なげなわマン」

 「人類滅亡」をテーマに放送部の面々が自分たちの作品の構想を語り合う「カウント ダウン」

 人間界に修行に来て主人公の家に居候する魔女、しかし彼女はブスだった!  しかも使い魔はビッグフットだった! という「バーバラ」

 珍妙なヘルメットばかりを作るオヤジとそれを買ってしまったお姉ちゃんの交流を描く「泰造のヘルメット」

 悪の組織が解散してしまって戦う相手がいなくなった正義のヒーローと、路頭に迷った元悪の幹部出会いを描いたデビュー作「ヒーロー」

 以上の7編を収録。
 表題作「Present for me」のような所謂「いい話」もありますが基本的にはギャグを多分に含みつつ、それぞれの作品で試行錯誤を重ねている、という印象。無造作に見えて実はテクニカルに仕組んだ笑い、というこの辺のセンスが磨かれて「それ町」に繋がって行っているのですなあ。

 個人的には「なげなわマン」のヒドくて大変下らないオチに吹き出してしまいました。なげなわマンのクドい風貌と相まって大変にばかばかしくてステキです。この一発ネタだけで話を一本書いてしまうか、という。
 「泰造のヘルメット」の次々と繰り出されるギミックのバカバカしさも楽しい。

 そしてデビュー作「ヒーロー」の四季賞らしい青臭さも、それはそれでまた趣深いものが。
 「それ町」に繋がる遺伝子を持ちつつまた違った石黒正数の作風も楽しめる、という点でファンなら読んでおいて損はないかと。

PRESENT FOR ME石黒正数短編集 (ヤングキングコミックス)PRESENT FOR ME石黒正数短編集 (ヤングキングコミックス)
石黒 正数

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2007年08月02日

作:武論尊 画:池上遼一『覇 −LORD−』9巻

 劉備は倭人。趙雲は女で呂布の子を産み、その子が関平。貂蝉は漢王朝の血を引く。
 等々、三国志の常識を破壊する設定満載の武論尊&池上遼一コンビによる異形の三国志漫画も既に9巻目。
 この巻では「演義」で言うと反董卓連合瓦解とか洛陽焼き討ちの辺りを描いておりますが、当然のごとく「演義」や「正史」の枠に収まっておりません。

 敗れて帰ってきた孫堅は袁紹を蹴倒し、曹操は袁紹・袁術を放逐して勅書を奪い取り反董卓連合の盟主に。そして一層強固に団結する(!)反董卓連合。

 一方、貂蝉を手にした董卓は全く色香に惑わされることがなく、逆に恐怖で貂蝉の心を挫けさせるという男らしさ全開の展開。

 放逐された袁紹・袁術コンビは留守となった諸侯の領地を切り取り放題。これによって諸侯は危機を感じて反董卓連合は瓦解。袁術は長沙を襲い孫権を捕虜に。ついでに伝国の玉璽も奪ってしまいます。――洛陽に一歩も足を踏み入れていないのに一体どうやって孫堅は玉璽を手に入れたのだろう、という細かい疑問も湧いてきますが、いいんだよ細かいことァ! 的な勢いが。

 その孫権を人質にして孫堅に劉表攻めを強要する袁術。
 しかし、孫権に舌を噛まれて自殺されそうになって逆に慌ててしまい「華佗を呼べい! 華佗の医術に賭けるのだ〜〜!」とか言い出すうっかりさん。
 そこで華佗を持ってくるか! という驚きもありますが、「バカヤロー! "頭"は二つ要らねェんだよ!」とか、ちんぴらテイスト全開の袁術陛下が素晴らしい味を出していてたまらないものがあります。後に皇帝になった時の活躍が今から楽しみで仕方ありません。

 董卓の過去のトラウマが描かれていたり、馬騰が登場したりと物語的に色々展開しておりますが、この9巻の主役は間違いなく袁術陛下でありましょう。

 え、あれ、三国志ってこういう話だったっけ――
 と、相変わらず読む者の「三国志」観をぐらぐらと根っこから揺さぶる作品であります。素晴らしい。

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武論尊 池上 遼一

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2007年08月01日

8月新刊購入予定

 8月の購入予定を更新しました。
 ざっとチェック入れただけなので漏れもありそうですが、気づき次第訂正、ということて。

 7月は『夕日ロマンス』『怪異いかさま博覧亭』『暴れん坊少納言』『日常』など非常にオススメ作品が多い月でありました。
 まだ感想を書いておりませんが三宅乱成『イムリ』もすごい作品なので、いずれ近いうちに。

 8月は7月に比べると購入冊数はかなり少なめになりそうな感じ。
 週刊少年漫画系は実はあまり買っていないので月半ば以降に買い物が集中。
 その中で注目作をいくつか挙げると――

8/23
・もりやまつる『GOLD DUSH』
 「イブニング」連載中。水商売のお姉ちゃんがその脚力を認められて北京五輪を目指す、という素晴らしい導入。もりやまつるの濃い絵柄がまた素晴らしい。

8/24
・アントンシク『ガゴゼ』3巻
 骨太な伝奇物として完成度が高い作品なのですが、知名度が低いのが実に残念な作品。1巻感想2巻感想

8/25
・タイム涼介『明日の弱音』『アベックパンチ』。
 「コミックビーム」の中で今一番楽しみにしている作品。
 単行本化されていなかった『明日の弱音』も一緒にコミック化で嬉しい限り。個人的には今月一番楽しみな作品です。

8/27
虚淵玄/中村哲也『エンシェントミスティ』
ニトロ+のシナリオライター虚淵玄と、「腐り姫」などのキャラデザなどでおなじみの中村哲也のタッグによる作品。
 中村氏といえば「ドラゴンステーキ」も同人だけではなく商業誌で出して欲しいところですが――採算がとれないからコミック化不可、とMWから言われたとあるし無理なのかしら。
 ebも「テックジャイアン」掲載作品「MGビブリオファイル」も単行本化してくれないかしら……。

 と、こんな感じの8月新刊購入予定。
 『シグルイ』とかももちろん非常に楽しみではありますが、どちらかといえば知名度が低め(と思われる)の作品を中心にしてみました。
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2007年07月31日

きづきあきら+サトウナンキ『いちごの学校』

 元教師の壱吾と、元生徒のくるみの夫婦と、二人の間に生まれた赤ん坊のアオ。
 壱吾とくるみのラブラブで幸せな新婚生活が描かれるかと思いきや、きづきあきら+サトウナンキのコンビの作品でありますのでそう甘くはないのでありました。

 教え子であるくるみと関係を持ち、彼女を妊娠させて教職を辞した壱吾。くるみもまた学校を辞めて壱吾と一緒になることを選んだわけですが――その選択がなされたことによって壊れてしまった関係・スポイルされた可能性というものもあるわけで、物語はそこを突いてきます。
 甘い生活と、この苦さの対比がきづき+サトウ節というべきでありましょう。

 壱吾の社会的立場・家族関係、くるみの人間関係、そして普通の学生として生きていくというくるみの未来。それらを捨ててまでくるみが選んだ選択。
 子供も生まれて幸せで甘い時間を過ごしている中で、おまえ自身は幸せなのかという壱吾の問いに対して、底知れぬ昏さを湛えた眼差しを送るくるみ。

 愛している、だけでは済まされない問題を抱えつつ生きていく三人。
 壱吾だけが責めを負うべき話では無いとも感じますし、その選択が正しかったのかどうかも分からない。
 しかし、それでも選択の結果としての現在を生きていかなければならない者達の人生というものを考えさせられてしまう結末でありました。

いちごの学校 (ヤングキングコミックス)いちごの学校 (ヤングキングコミックス)
きづき あきら サトウ ナンキ

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