2007年06月24日

きづきあきら+サトウナンキ『メガネ×パルフェ!』

1年前に出会った憧れの先輩を探して高校に入ったみさお。「白衣メガネ部」なる怪しげな集団に属するその先憧れの先輩・究太朗から提案された「恋愛実験」を受け入れ被験者となったみさおだが―――

 『ヨイコノミライ』『メイド諸君』など、恋愛などの甘やかなテーマに、人間関係の黒さを絡めて描いてくるきづきあきら+サトウナンキコンビが「ガンガンパワード」に連載していた作品。
 この作品も露骨ではないものの黒いものが所々に見え隠れしております。

 恋愛実験とは端的に言ってしまえば「人為的に作り出した状況によって恋愛を成立させることができるかどうか」というもの。
 例えば、楽しい共同作業を二人でさせたり、いわゆる「吊り橋効果」を得られるような状況を作り出して対象者をその中に放り込んだりというようなことをして、二人の間に恋愛感情が芽生えるか否かということを観察するわけですが、みさおと対になる被験者は究太朗ではなく、その弟でみさおと犬猿の仲の欧次朗。

 それでも憧れの人と一緒にいたいがために恋愛実験を続けるみさお。
 しかし、究太朗は「誰とも一生恋愛する気がないんだ」と言い放つ。
 一方、もうひとりの被験者・欧次朗はみさおが気になって仕方がなくなり―――

 みさおの自分に対する好意も、欧次朗の気持ちも、実験が二人の関係に及ぼす変化も、何もかも把握した上で、自分を慕う少女と実の弟の関係を手のひらの上で自在に転がす究太朗のドライな姿勢。彼が仕組んだグロテスクな恋愛実験のもとで育まれていくみさおと欧次朗のピュアな恋愛。ここら辺の対比が鮮やかであります。
 しかし、その観察者である究太朗も全てを悟った冷血漢、というわけでもない辺りがこの物語のキモでありましょうか。いや、サディスティックな変人であるのは間違いないのですが……。

 物語はこの1巻で完結。普通にこのまま話を続けられる場面ではありますが、敢えてこの場面で幕をひいたことにより、この先の人間関係は一体どうなるんだろう、と大変に興味と想像力を掻き立てる終わり方になっております。

  
メガネ×パルフェ!
メガネ×パルフェ!
posted with amazlet on 07.06.24
きづき あきら サトウ ナンキ
スクウェア・エニックス (2007/06/22)

posted by 凡鳥 at 22:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

石川雅之『もやしもん』5巻

 何だか強引に人生の転換を迫られている遥。婚約者とフランス婚前旅行に連れて行かれてしまいました。
 一方、農大は収穫祭り前の喧噪のまっただ中。このバカ騒ぎの中、遥が居ない事に気が付いているメンバーは少ないようで――?

 そんな感じでフランスに連れられていってしまった遥を余所に展開する農大収穫祭。
 無料野菜を求めて怒濤の如く押し寄せるおばちゃん達、カオスな模擬店群、後夜祭の学生らしい無駄なパワーに満ちたバカバカしい催しなど、大変に楽しげでよいですね。
 鋼鉄の処女焼きとか、ちびっ子達の目の前で鳥をシメるところから始める唐揚げ屋とか、教授昇進を賭けて教授とボクシング勝負を行う助教授とか、男の欲望丸出しの地下オークションとか実におバカで楽しいものがたくさん。
 ここら辺、螢の
「この学校はすごいよ
 いろんな人がいろんな意志で支え合ってみんなで遊んでいるんだね」

 という言葉に凝縮されていると思います。

 そして、祭りの後に研究室メンバーが見せた遥への不器用な気遣いがいいですね。なんだかんだ言って皆それなりに気にしていたんだなあ、と。

 そしていよいよ舞台はフランスへ。
 オシャレな国というイメージからだいぶかけ離れたアレな道中の様相を呈しておりますが――

 そしてこの5巻でも菌達の会話や欄外・ハシラの文章が良い具合に作品の雰囲気を柔らかく醸しております。

もやしもん 5 おまけ付き―TALES OF AGRICULTURE (5)
石川 雅之
講談社 (2007/06)
売り上げランキング: 96

posted by 凡鳥 at 00:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月23日

たくま朋正『コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー』1巻

 「コードギアス」異聞、とでも位置づけすべきコミカライズ。
 アニメ「コードギアス 反逆のルルーシュ」の主役であるルルーシュは第一話で死亡(?)してしまい、代わりにギアスの能力を授かったのは、盲目で足の不自由な彼の妹・ナナリー。

 アニメではイノセントな守られるべき存在・ルルーシュが戦う理由として、いわば純粋さの象徴だったナナリー。その彼女が異形のナイトメアを自在に操る能力を得て、見えなかったはずの目を見開きながら
「貴様らがお兄さまを殺したなあ!」
 と鬼神の如き戦いぶりを発揮するのは相当なインパクトがあります。
 これはもう「ナナリー」と呼び捨てではなく、「ナナリーさん」と「さん」付けで呼ばざるを得ない。

 ナナリーさんのギアスの力は「未来線を読む能力」。相手の攻撃・戦況、あらゆる未来を読むことができるというエラい強力な能力を手にして戦闘では大活躍のナナリーさんですが、ルルーシュ君のように外部に対する働きかけをしないので基本的に巻き込まれ型。ただ、ルルーシュは死んだと語られているにもかかわらず、謎の仮面の男・ゼロが登場し黒の騎士団と共にブリタニアへの反逆を開始。(このゼロの中身は1巻の時点では不明)物語はクロヴィス暗殺・河口湖畔立て籠もりなど基本的なアウトラインはアニメをなぞる形になります。
 このゼロが引っかき回す事態に巻き込まれながら、圧倒的な能力で暴れるナナリーさん。彼女の戦いの行き着く先や如何に。

 アニメでは登場しなかったナナリーさんの友人・アリスが登場したり、ブリタニアに女だけで構成されたギアス能力者の部隊があったりと、コミック版のオリジナル要素も多数。特にアリスはルルーシュに対するスザクのような重要キャラになりそうな感じも。

 ギアス能力もアニメの人間に働きかける能力というより、「ザ・パワー」「ザ・スピード」などナイトメア操縦時に発揮される特殊能力という位置づけらしくて、「キングゲイナー」のオーバースキルみたいな感じで捉えたら良いのでしょうか。

 兎に角、ナナリーさんの豹変ぶりがアニメ視聴者の度肝を抜くこと間違いなし。
 「走れる! 跳べる! これが私の新しい身体!」
 「もうあんあ車イスなんて必要ない! 私は自由だ!!」
 と笑い声を上げながら戦場を駆け回るナナリーさんのはっちゃけぶりに大注目。
 そして、ルルさん・スザクがいない「コードギアス」異聞として実に先が気になる展開であります。

 ちなみに密かにパンチラが多いのもポイントと言えばポイントかも知れません。

コードギアスナイトメア・オブ・ナナリー 1 (1)コードギアスナイトメア・オブ・ナナリー 1 (1)
たくま 朋正

角川書店 2007-06-26
売り上げランキング : 18

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

posted by 凡鳥 at 09:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

植芝理一『謎の彼女X』2巻

 相手によだれを舐めさせることで感情と感覚を共有することができる少女・卜部。その彼女と付き合っている少年・椿。よだれを介して伝わる二人の初々しい恋愛を描いたラブコメ第二巻。

 いやー、付き合い始めの二人の恋愛の甘酸っぱさ・こそばゆさと、「よだれ」を介したコミュニケーションが生み出す淫靡さの兼ね合いが相変わらず素晴らしい。

 いかにも高校生男子らしい悶々とした気持ちを抱える椿。その彼と気持ちを共有して同じく悶々とする卜部。端目には全く感情を伺えずにクールにみえるけれども、実は初心で恥ずかしがり屋で恋愛に対して純粋な卜部。そんな彼女が健全な男子高校生が恋愛対象に対して抱くいろいろとストレートな感情にアテられて密かに赤面、狼狽、恥じらう様子が本当に可愛らしくてくすぐったくてたまりません。
 不愛想でクールな卜部さんが時折見せる恥じらいの表情ったら!

 例えば、第6話「謎の夏休み」
 自室に招かれ普段は卜部が裸で寝ているというベッドを前にして悶々とする椿。卜部がちょっと部屋を留守にした隙にこっそりとそのベッドに身を横たえ、そこに残った彼女の匂いを嗅ぎながら
「同じベッドに俺と卜部が裸で眠る……」
「これから先二人の仲が進展して……そんな日が来るのかな……」
 などと悶々としながら眠ってしまう。そんな風にして眠っている彼によだれを舐めさせて、その想いを共有する卜部。そして彼が帰った後
「今日のベッドは―――椿君の匂いがする……」
 と言いながら眠り、覚めてみれば
「……椿君の匂いのせいかしら……」
「女の子も……エッチなのね……」

 初心な二人の関係のくすぐったさとこれから二人の仲の進展への期待感がもたらす妄想が活写されていて、読んでいると身悶えしてしまいます。

 また、この2巻では椿の友人・上野と付き合っている丘が卜部に接近。
 同じくつきあい始めたカップルでありながら、少し関係が進んでいる上野・丘のカップルにアテられて一層悶々とし、また互いの関係をより意識することになる椿・卜部のカップル。

 じれったくもどこかエロっちい二人の関係は少しづつ進展しているようで、このちょっと奇妙なカップルの恋愛からはまだまだ目が離せません。

 巻末には書き下ろしのおまけエピソード第12.5話「謎のニャーン」を収録。
 クールな卜部が道ばたで見かけた猫に対してとった行動とは!

 ……か、可愛い。

謎の彼女X 2 (2)謎の彼女X 2 (2)
植芝 理一

講談社 2007-06-22
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

posted by 凡鳥 at 08:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月22日

イダタツヒコ『誰かがカッコゥと啼く』1巻

5年生を受け持つことになった小学校教師・作馬美智孝。かれは自らの教え子達によって恐ろしい世界に引きずり込まれていく――

 前作『美女で野獣』とは全く趣を異にしたダークファンタジー。『外道の書』『秘密結社アルファー』などの初期作品に近い路線で攻めている本作であります。

 作馬を生贄として彼に憑いた異形の「憑きモノ」を喰らう「魔王」を名乗る生徒達。子供の側と大人の側に別れた世界。魔王の目的は何か、世界がこんな風になってしまったのはなぜか、作馬が「特別」である理由は何か。

 様々な謎を孕んだまま異常な世界を提示しておいて、話が進むにつれ徐々にその謎が明かされていくという形をとっており、最初は戸惑うものの、この物語の輪郭が分かってくると、より不気味さが増してきます。

 クリーチャーの不気味なデザインや、登場人物達の歪んだ表情などが、昏い狂気を孕んだこの世界を静かに盛り上げています。

 1巻ラストで明かされるこの世界誕生の秘密。大きな鍵を握るであろうこの世界の卵から孵るのは一体何か。

 万人受けする作品ではないと思いますが、エッジの効いたダークな話を読みたい人にはお勧め。

誰かがカッコゥと啼く 1 (1)誰かがカッコゥと啼く 1 (1)
イダ タツヒコ

小学館 2007-06-19
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

posted by 凡鳥 at 02:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月21日

原作:藤見泰高 漫画:カミムラ晋作『ベクター・ケースファイル 稲穂の昆虫記』1巻

 普段はもっさりしているけれども、虫の事となるとすごい知識と行動力を発揮する女子高生・榎稲穂。
 現代の虫愛づる姫君とでも言うべき彼女が、虫が原因で起こるトラブルの数々を解決していく! という作品。

 食中毒騒ぎを起こした中華料理店、民家に巣食ったスズメバチ、有名建築家の家に潜む問題、グラビアアイドルを襲う痴漢行為等々、事件に潜む虫の影を探り出し、その生態から事件を解決に導いていく様子を、良い意味でB級ミステリのノリで描いております。事態の規模の割に色々と大仰なのがポイント高いです。

 また、本筋とはあんまり関係なく挟まれるお色気――というかエロスもまたB級的味わいと心躍るものがあってよいですね。
 特にAct.4「痴漢電車のアイドル」(すごいタイトルだ……)のエロ度は突き抜けております。連載時にこれを読んだ時は我が目を疑ったものです。変態的且つテクニカルなエロスがここに。

 主人公の稲穂さんも、普段は地味でぱっとしないけれども、白衣の下にはグラマラスなボディを隠している、というギャップも大変にステキ。

 女の子達のお色気と、ワラワラと群がる虫たちのイヤさ加減の融合が、何だか変態的でステキです。さすがは「チャンピオンRED」掲載作品と言うべきでしょう。
 お色気と変態性だけでなく、きちんと虫への愛が詰まっているのもポイント高いです。

 単行本描き下ろしのおまけ漫画には温泉に浸かるヒロイン達の後日譚が。こちらもこれでもか! というくらいのサービスシーンが詰め込まれております。

ベクター・ケースファイル 1―稲穂の昆虫記 (1)ベクター・ケースファイル 1―稲穂の昆虫記 (1)
藤見 泰高 カミムラ 晋作

秋田書店 2007-06-20
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

posted by 凡鳥 at 02:49| Comment(0) | TrackBack(1) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月20日

柴田ヨクサル『ハチワンダイバー』3巻

「一局の将棋は一つの壮大な甘くない物語だよ」と語り、漫画のキャラクターとともに盤面に己の物語を描き出す文字山。
 その文字山の将棋よりも深く潜ろうとするハチワンダイバー・菅田の攻防。

 文字山の描く物語に飲まれて窮地に立つ菅田と、そこからの圧倒的なスピード感と緊張感の中で展開する勝負。
 一線を超えて、涙と汗と鼻水にまみれながらノーガードの打ち合いをする二人の姿は滑稽でありながらも、凄まじく熱いのです。
 短く区切られた台詞の力強さと、大ゴマの連続が生み出すダイナミズム。

 自分の漫画のキャラと対話しながら将棋を指す文字山の特異なキャラクターインパクトの強さも素晴らしい。
 いやあ、この3巻も圧倒的に面白い!

 そして、文字山との勝負の次の対戦相手は「アキバの受け師」のメイド時の名前を知る男・斬野。
 勝てばみるく(アキバの受け師)は自分の物となるという斬野の言葉に動揺する菅田はそんな精神状態のまま勝負に突入し、圧倒的な力の前に為す術無く……

 以下次巻!
 一体どうなるのでありましょうか。本当にこのテンションとスピード感、パンチ力は素晴らしいなあ!

ハチワンダイバー 3 (3)ハチワンダイバー 3 (3)
柴田 ヨクサル

集英社 2007-06-19
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

posted by 凡鳥 at 02:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月19日

「コミック百合姫S」創刊号

 「コミック百合姫」の姉妹誌として新創刊の季刊誌。「百合姫」でおなじみの作家から、一迅社の雑誌初登場の作家まで、幅広い作家陣が「百合」を題材に筆を揮っております。「百合姫」連載作家以外の作家陣を見るに、成年系作家も多く、本誌に比べて男性読者にターゲットをより絞った雑誌と言えるでしょうか。

 女の子同士の恋愛の切なさをしっとりと綴った作品もあれば、ポップで明るい作品もあり、なかなかバラエティに富んだ作品が集まっていて華やかな印象。
 女の子同士の恋愛要素さえあればあとは比較的自由、といった感じで作品毎に百合度の濃淡が結構あり、逆にこれが雑誌的にはメリハリ効いた感じになっているのかも。

 以下、いくつかピックアップした作品別感想を。

■宮下未紀「マイナスりてらしー」
 金持ちから借金まみれになってしまったお嬢様と、お付きのメイド。彼女らのもとに給食費の請求にやってきた委員長。「マイナス金運」なる悪運故に没落した、と語るお嬢様に委員長は――
 お嬢様とメイドの麗しい(?)関係を描きつつギャグっぽいオチに。世間知らずで偉そうなお嬢様がなかなか可愛らしい。
 ただ、借金まみれならもうちょっと色々処分するものがあるだろうに、とか細かい事を想ったりもしますが、そこら辺は、まあ。

■柏原麻美「フォーチュン・リング」
 すり切れるまで身につけていると願いが叶うというフォーチュンリング。水泳部の先輩に憧れる少女は、その先輩の腕に結ばれたフォーチュンリングを見つけてしまう。彼女も自分では結べずにいたリングを先輩から結んで貰うが――
 先輩の腕のリングから想い人がいることを知り、また自分に結んで貰った事から先輩の心は自分の方には向いていない事を知った少女。しかし、リングをしていると常に先輩の事を強く意識してしまうという恋愛のもたらす呪縛。傷つきながらも自分の想いに整理を付けて再度立ち上がる少女の成長を描いております。うまいなあ。

■あらきかなお「ポエムに恋して」
 不器用なんだけれど、ひとたびポエムにすれば饒舌になって言葉が突っ走ってしまう少女と、彼女が憧れる先輩のお話。
 「好き」のあまりに突っ走ってしまう少女の行動と言葉がポップに描かれていて大変に楽しげな作品。ポエムがアレだったり、ちょっとアホの子だったりする主人公が可愛らしくて良いですわ。

■吉富昭仁「SUIKA」
 スイカを一人で半分食べきると願いが叶う、という変なおまじない。夏休みのある日、転校を前にした少女とその友人がそれぞれの願いを込めてスイカを食べ始めたが……
 ずっと続くと思っていた当たり前の日の終わりを前にした本人達も結果が分かり切っているささやかな抵抗。どこかノスタルジックで楽しくてちょっと哀しくて、と夏の想い出の一日を綴っています。
 これはいいなあ。タイプの異なる二人の少女がスイカを介して互いの想いを打ち明ける様がユーモアがありながらちょっと切なくて。
 あと、スイカの中身を湯船にぶち込んでスイカ風呂にしたら何かエロいよね、と語る少女の言葉はなんだか変態的なエロスを感じますが、まさにその通りであるなあ、とも思うのですが如何。

■すどおかおる「オトメキカングレーテル」
 あこがれの名門女子校に転入してきた少女。麗しの乙女達とのきらびやかな学園生活が始まるかと思いきや――
 ――多分、この雑誌内一番の異色作。百合+甘味+異能力バトルでちょっとビックリ。色々はっちゃけてるなあ。

■石見翔子「flower*flower」
 政略結婚で異国に嫁いできた王女・ニナ。だが、本来の婚約者である王子・蒼を振り、その妹の朱と結婚宣言をする。残酷なまでに冷たい態度を取る彼女に対してどう対処していいかさっぱり分からない朱だが……
 心を開く前、仮面を被ったままのニナ笑顔が怖くもあり、一種独特の美しさもありで、妖しい魅力を放っております。それらの表情と心を開いた後のギャップがステキ。
 しかしまあ、女の子同士で政略結婚成立しては色々と今後両国に問題があるのでは、と百合方面を離れて思わないでもないです。血筋の問題とかどうするんだろう。

 以上のようになかなかバラエティに富んだ作品が詰まっております。
 百合、という視点を抜きにしてもなかなか読ませるのではないでしょうか。

 ただ、全300ページチョイで880円という値段設定に割高感が。
 私はレジ持ってくまで価格を全く気にしていなかったので金額を告げられてちょっとビックリ。
posted by 凡鳥 at 03:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月17日

佐藤信『ソードゲイル』1・2巻

 新刊ではありませんが、以前から人に勧められたものの、なかなか見つからずにいたのをようやく手に入れたので。
 どこの本屋にも1巻が置いていなくてえらい苦労しました……。

 剣の力が支配する世界、イグラウ。
 その大陸の東端に位置するフェレー王国は小国なりに安定した治世が続いていた。
 しかし、ある日大陸一の強国・ベルジェ帝国がフェレーに向けて軍事行動を開始、その軍勢は王都へと迫る。
 迎え撃つフェレー軍には先の騎槍試合で優勝した騎士・フレイの姿があった――。


 フェレー王の庶子でありながら、王位継承権を持たず、一騎士として戦場に立つフレイ。彼を主人公として二国間の戦を描いております。
 フレイの軍略によって善戦しながらも、圧倒的な戦力差によって追いつめられるフェレー軍。地方領主ボレアス伯の居城に拠って援軍を待つが、城門を突破されてしまい――というのが2巻までのお話。

 身分的には一介の騎士に過ぎないフレイですが、フェレー王の負傷により指揮を任される事に。この辺の展開も冒頭に描かれた騎槍試合で見せたフレイの才能と度量によって納得できるようになっているのが巧いなあ、と。その彼が展開する策も戦術的に現実味と説得力があって、実に読ませる展開に。

 フレイの生い立ちや彼を取り巻く状況が物語に更なる色彩を加えております。王国一の騎士であり師匠でもあるアストレイとの関係が実に良いですね。

 中世ヨーロッパ的世界観の架空の世界を舞台とした作品ですが、魔法や魔物といったファンタジー要素は一切登場せず、あくまで軍隊と軍隊同士の「戦」を扱った骨太な戦記物となっております。オススメ。

 刊行ペースを見るとそろそろ3巻が出そうな時期でありますが、とても楽しみです。

ソードゲイル 1 (1)ソードゲイル 1 (1)
佐藤 信

講談社 2006-04-17
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

posted by 凡鳥 at 02:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月15日

原作:青山広美 作画:山根和俊『GAMBLE FISH』1巻

 金持ちとエリートの集う学園に転入してきたギャンブラー、白鷺杜夢。
 風紀委員を打ち負かし手に入れた百円玉を元に、一ヶ月でこれを100億円にしてみせると宣言する!

 100円を100億円とはまた何ともハッタリが効いていていいですわね。
 そんな感じでハッタリとケレン味に満ちたギャンブル漫画の第一巻登場。

 エリート学園の中に入り込んできた異分子白鷺杜夢。
 ハッタリで生徒達の注目を集め、彼を潰そうと挑んでくる生徒達を返り討ちに。
 そんな彼の前に登場した教師・阿鼻谷。
 「ギャンブルは人の本性にして人生の縮図。なればこそ負けた事が大罪なのだ」
 と言い放つ彼が差し向けた次なる刺客は女マジシャン。
 提示された勝負はブラックジャック。
 その神業のカード捌きを目にして白鷺は言う。
「マジックは光……ギャンブルは闇さ」

 いやあ、いろいろと振るっていていいなあ。
 どこから見ても「悪役」と主張している阿鼻谷のルックスや、その変態性。
 阿鼻谷の前で全裸になって己の技量を証明する女マジシャン・月夜野。
 ケレン味とインパクトに満ちたキャラクター達やセリフ回しが大変に楽しい。
 いじめられっ子系の眼鏡少年が解説&驚き役としてキッチリ仕事している辺りもポイント高いです。

 「ギャンブル」として戦いを繰り広げる者達の虚々実々、丁々発止のやりとりも、緊張感を保ちながらハッタリが効いていてまた魅力的。
 次々と濃いキャラが登場し、話が進むにつれてどんどん濃さと面白さが上がってきております。今後の展から目が離せない一作です。

GAMBLE FISH 1 (1)GAMBLE FISH 1 (1)
青山 広美 山根 和俊

秋田書店 2007-06-08
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

posted by 凡鳥 at 03:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月14日

佐原ミズ『バス走る。』

 『マイガール』(→感想)の佐原ミズが描く恋愛漫画短編集。
 様々な人達が行き交うバスの停留所。そこで始まる小さく純粋な恋愛の始まりを綴っております。
 
「空曲がり停留所」
 ノルマがこなせず途方に暮れる不動産会社の営業と、飛行機を指で作った窓で捉える少女。
 1日10回飛行機をつかまえられたら願い事が一つ叶うという彼女。
 優しくて、その優しさゆえに人生の一場面で躓いている者同士の出会いが暖かな筆致で描かれております。自分のことを措いても、相手の小さな幸せを願う二人のピュアさが良いですね。

「さくら町停留所」
 冴えない生物教師と、その彼に対して卒業式を前に「嫁になって」と告白をした女生徒。大学を卒業する4年後の再会を約束した彼女だったが―――
 頼りないとは言え、男に対して「嫁になって」という要求をしたり、白衣の下に潜りこんで「セクハラー」などとやる女生徒がトボけた味わいがあって可愛らしい。その彼女がバスの中でぽつぽつと先生の好きなところを挙げて、徐々に自分の想いを告げて行くシーンはいいなあ。
 そしてトボけつつも暖かなラストがまた何ともいい感じです。個人的には収められた話の中で一番隙です。

「忘れ名ヶ丘停留所」
 昔の男友達から結婚の報せを受けた女性。その手紙を眺めていたバスの中で男に突然話しかけられる。その事を聞いた母からの「気持ちを伝えることは大変」という言葉に、かつて自分が思いを伝えることが出来なかったその男友達との事を思い出す。
 自分は相手を想っているのに、相手は自分を見てくれていない切なさ。結局想いを伝えられないままになってしまった彼女が自分に向けられた好意に対してどう向き合うか。
 一歩踏み出した彼女の世界が変わった瞬間の物語。
 でも、男のアプローチとか、女性がその男の話を聞こうと思う理由とか、ちょっと唐突な感じも。

「天気読み」
 二人で天気を予想するといつも自分は外れ、彼女が当たるという二人。そんな恋人同士の、自分より先に目指す道を行ってしまった彼女に対する焦燥と不安。それに対する彼女の回答は―――
 残されたメッセージは激励かもしれないしまた同時に改めての愛の告白だったのかもしれません。

 「バス走る」というタイトル通りバスが持つ完全に時間通りではない運行とか、微妙なローカル性とか、そういったものがこれらの物語の雰囲気とか速度を形作る一つの要素となっているのでありましょう。
 身近で優しい物語が詰まっております。繊細で柔らかな筆致がまた物語と合っていて良いのです。

 後半に収められた高校生達の初々しく、くすぐったいような恋愛模様を描いた短編も大変に良い話となっております。

バス走る。バス走る。
佐原 ミズ

新潮社 2007-06-08
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

posted by 凡鳥 at 02:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月10日

結城心一『ひめなカメナ』2巻

 海の方からやってきたのほほん世間知らず系美少女のひめなと、その姉でランドセル型亀のカメナ。彼女らと自警団と学校の面々が引き起こしたり巻き込まれたりする割と牧歌的で異常なご近所イベントの数々を
描いたコメディ。

 ―――結城心一作品は概要を説明しづらいなあ。何を書いてもあの独特のセンスとカオスを説明しきれない感じが。あとクリーチャー愛。
 というわけで、この2巻も不思議生物への愛が満ちた巻となっております。

 ひめな達が実は海の城の姫候補であり、その姫の座を賭けて他の姫候補から命を狙われている、という設定がカメナの口から語られ、前巻から登場していた砂隠カレイ・ひらめの姉妹やメダイ・ひめだいの姉妹(?)に続き、新たな姫候補として譲頭コサメ・ひさめのコバンザメとノコギリザメ兄妹が登場。兄は硬骨魚類、妹は軟骨魚類。でも兄妹。

 そんな感じで独特のユルくてマニアックなトーンで進んでいく姫候補達の戦い(?)。
 随所に込められた小ネタがおたく心をくすぐります。「空から死体が降ってきました しかも百万体!」とか。
 小ネタで出してくる生物も、ハルキゲニアとかオオグチボヤとか微妙にマニアックな所を突いてきて、本当に結城心一のこういうネタ選定のセンスはとても素晴らしいものがあるなあ。心の端っこをくすぐられる感じ。
 甲羅を脱いだカメナの本体とかも大変にキモくて愉快。それがエマニエル夫人のあの椅子に座ってるとか素晴らしい。

 そういう小ネタの積み重ねで笑わせてくる作品なので、その典故を知っているといろいろと楽しめる作品であります。そういった深い業を持ちながら、さりげなく作品中に投げっぱなしののほほん調で描いている辺りが結城心一作品の魅力でありましょう。

 そう言えば、今月号の「REX」本誌では「ももえ」の担英校長(ヒゲ)がMG100体目ネタで登場していて吹き出しました。
 カメナが裸を見られた時の
「お前の格好があまりにもかわいくていやらしくて直視できない くらい言えんのか」というその前の号に載っていた「かんなぎ」のセリフネタといい、結構マニアックにストライクゾーン狭めなネタで勝負してきますので、そこら辺は合う・合わないがハッキリ分かれるかも知れません。
 もちろん私は大変に好きですが。

ひめなカメナ 2 (2)ひめなカメナ 2 (2)
結城 心一

一迅社 2007-06-08
売り上げランキング : 525

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

posted by 凡鳥 at 04:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月09日

絶叫『じゅっTEN!』2巻

 十円玉ちゃんのおかげでゆかりと付き合う事になったゆうすけ。
 しかし、ゆかりの親友であるカナコはゆうすけの事が好きで――

 そんな三角関係恋愛進行中の硬貨擬人化漫画もこの2巻で完結。
 恋と友情の狭間で悩みまくるカナコと、ニブチンのゆうすけという何とももどかしい関係に、アホの子の硬貨の精達が余計な事をして時代を紛糾させるというラブコメ展開が楽しゅうございました。

 が、最後の方はちょっと消化不良というか、展開が急過ぎるという感じは否めず。結局三角関係もはっきりとした決着がつかないままだし、十円玉の告白も突然過ぎる感じ。
 うーん、やはり「とらドラ!」コミカライズに伴って色々あったんでしょうか、と思ってしまったりも。

 書き下ろしで雑誌掲載分のその後が描かれております。こちらで三人の関係は一応決着。やっぱりこの娘が正ヒロインの座を射止めましたか。
 後、コミケで販売された「コレックス」に収録された番外編の水着話も収録されております。

 女の子の絵も大変に可愛らしかったですが、十円玉、五円玉達の硬貨の精達のアホの子っぷりなど、ギャグも楽しい作品だっただけに、この終わり方はちょっと残念。

じゅっTEN! 2巻 (2)じゅっTEN! 2巻 (2)
絶叫

一迅社 2007-06-08
売り上げランキング : 1214

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

posted by 凡鳥 at 23:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

すたひろ『おたくの娘さん』2巻

 おたく生活を満喫している森崎耕太(26歳)の前に現れた少女 幸村叶(10歳)。
 何と彼女は耕太の娘。極めて善良な一般人であるところの娘と、突然父親になってしまったおたく青年、この二人の生活や如何に?

 前巻で、すれ違いと異文化交流を繰り返した末に何とか互いに少しづつ距離を縮める事ができた耕太と叶。しかし、いわゆる普通の「父娘」という関係にはほど遠く、耕太の父親らしい態度を叶が見直しても、おたく要素で御破算で願いましては〜、と三歩進んで二歩下がる叶の信頼感。

 そんなことを繰り返しつつも徐々に信頼を勝ち得て行く耕太でありますが、第15話「耕太の失敗」で、おたくとしての欲望を優先してあまりにもあまりな行動をとってしまい―――。
 お父さん、というより人間として駄目ですわね、これは。さて、ここからどうやって父として、人として正道に立ち返るのでありましょうか。

 そして本道を離れた所では現役高校生なのに大人びた……というより年増の雰囲気を漂わす管理人さんが愛らしい。機械に弱かったり、妙に人が良くてカメラ小僧達にノせられて撮影会モードになってしまったり、面倒見が良かったり。いやもう、佇まいがおっとり系人妻のソレですよ。現役高校生ですけど。
 それにしても「熟女子高生」というのはものすごい言葉であることだなあ。

おたくの娘さん 第2集 (2)おたくの娘さん 第2集 (2)
すたひろ

富士見書房 2007-06
売り上げランキング : 21

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

posted by 凡鳥 at 02:51| Comment(0) | TrackBack(1) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月08日

武田日向『狐とアトリ −武田日向短編集−』

 山奥の神社に姉と二人きりで暮らしている巫女のアトリ。「嘘は嫌い」「狐は嘘つきだから嫌いじゃ」と宣う彼女のもとに狐が訪れ「まるで己は嘘と無縁かのような言い草」との言葉を突きつける――という「狐とアトリ」。

 入院中に人形遊びに逃避する内気な女子高生・実。彼女と相部屋になった全くタイプの異なるオシャレで快活な少女・叶との出会いにより少しづつ変わって行く――という「ドールズ・ガール」

 以上の2編と「やえかのカルテ」番外編を収録した短編集。
 
「狐とアトリ」
 「嘘」と「真実」を鍵に物語が展開する表題作。嘘を極端に嫌うアトリに語りかける狐の言葉は一体何を意味しているのか。狐を嫌うアトリに対して、姉が妙に狐に優しく接するのはなぜか。仲の良い姉妹の間にある「嘘」と「真実」。二人にとって大切なのは一体何でありましょうか。

 姉にべったり甘えたり、嘘を嫌って一途な行動を取るアトリは可愛らしい。そして、そういうアトリの全て包み込む姉上の優しさがこの物語の要でありましょう。
 山奥の壮麗な社と、巫女の姉妹、そして狐という道具立ても非常に雰囲気があって良いですね。

「ドールズ・ガール」
人形の衣服作りで叶と仲良くなった実は、叶との友情がずっと続けば良い、と願うようになる。しかし、何となく叶が口にした「永遠に変わんないものなんてあるわけないじゃん?」という言葉に深くショックを受けてしまった実。彼女と叶の友情はどうなるのか。
 入院生活の中で、自分の周囲の事が変化してしまう事を恐れて「永遠」であることを理想としている少女 実。彼女とは反対に「今」を大切にする少女 叶。変わらないモノの象徴としての人形を愛でる実が、その人形を通じて叶との友情を結び成長していきます。


 繊細な線で描かれた可愛らしいキャラクターと、緻密に書き込まれた背景が大変に魅力的であります。表紙を見て惹かれたのであればそれだけでも手に取る価値はありでしょう。
 収録作品共通するのは「優しさ」。心がちょっと温かくなるようなそんな物語をどうぞ。

狐とアトリ―武田日向短編集狐とアトリ―武田日向短編集
武田 日向

富士見書房 2007-06-09
売り上げランキング : 652

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

posted by 凡鳥 at 00:44| Comment(0) | TrackBack(1) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月07日

原作:山田風太郎 漫画:せがわまさき『Y十M 柳生忍法帖』7巻

やっとの思いで会津への帰還を果たした藩主 加藤明成を迎えたのは芦名衆頭領の芦名銅伯と、彼の娘で明成の愛妾・おゆら。
 敵の本拠地を舞台に会津七本槍の残り3人と、新たに登場した得体の知れない二人を相手に、十兵衛と堀の女達の戦いは続く!


 うむ、時折入る毛筆調で描かれたシーンやキャラが印象的で格好良いなあ。
 というわけで、芦名衆の親玉の怪老人 芦名銅伯の出生と身体の秘密が語られ、七本槍の一人 鞭使いの司馬一眼房との戦いが描かれる7巻。
 全体としては銅伯を挑発し続ける沢庵和尚の活躍が目立つ、ジジイ分の強い巻となっております。
 籠に堀の女達が乗っていると看破した銅伯に対し、飄々とかわしつつも虚実入り交じったギリギリの駆け引きを繰り広げる沢庵がイカしてます。
 そして、やっぱりツメの甘い七本槍の皆さん。どいつもこいつもスケベ心を出すから……実は七本槍は皆ドジっ子の萌えキャラかも。

 それにしても、おゆら様の艶っぽさは異常としか言いようがありません。6巻の時も言った気がしますが。立っているだけでエロいというのは何事か。猫科のエロさと白痴美が融合した大変艶冶な佇まい。

Y十M(ワイじゅうエム)~柳生忍法帖 7 (7)Y十M(ワイじゅうエム)~柳生忍法帖 7 (7)
せがわ まさき 山田 風太郎

講談社 2007-06-06
売り上げランキング : 68

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

posted by 凡鳥 at 22:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月03日

漫画:阿部洋一 原作:平野俊貴 植竹須美男『少女奇談まこら』1巻

 母親と二人で静かに暮らしていた少女・まこら。ある日突然行方不明になってしまった母親を探すために家を出る彼女に従うのは一枚布巾・あわせ壁・小袖の手の三妖怪。まこらの前に次々と現れる恐ろしい妖怪達との戦いに勝って、母親を探し出す事ができるのか――

「月刊少年ファング」連載中で、ファングコミックス第一弾の一つ。
 妖怪と人間のハーフであるまこらが母親と自分のルーツを探しながら旅を行い、そこに悪玉と善玉の妖怪が出てくるする妖怪退治ものとなっております。

 お供の三妖怪のうち一枚布巾、あわせ壁というのはオリジナル妖怪。あわせ壁はぬり壁の小さいのらしいですが、一枚布巾は、一反木綿、あるいは白うねり辺りがモデルでしょうか。
 1巻では敵役に団三郎狸なども登場しますが、その描き方を見るに、個々の妖怪が持つ地縁・伝承とは切り離した「キャラクター」としての妖怪を描いていくスタンスのようです。

 「ファング」連載をちらと読んだ時には何だか地味な印象ではありましたが、こうやって単行本にまとまったものを読んでみると、なかなか基本に忠実なしっかりとした話で好感度が高いです。
 思い立ったら一途、ちょっとハラペコキャラも入っているまこらもなかなか可愛らしい。一枚布巾をマフラーに、小袖の手を上着に、あわせ壁をストラップに、という出で立ちもビジュアル的に楽しくて良いですわね。
 おどろおどろしさとポップさ、可愛らしさを併せ持つ妖怪描写も魅力的。

 派手さはないものの、丁寧に描かれていて、妖怪漫画というジャンルの一つの正統の血をきちんと受け継いでいるなあ、という印象であります。

少女奇談まこら 1 (1)少女奇談まこら 1 (1)
阿部 洋一

リイド社 2007-05-19
売り上げランキング : 2782

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

posted by 凡鳥 at 02:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月31日

花沢健吾『ボーイズ・オン・ザ・ラン』6巻

青山との戦いのあと、仕事も恋も失った田西はボクシングジムに入会。トレーナーを務める耳の不自由な少女 ハナの気をひくために「世界を目指す」などと宣言してしまい、プロコースを選択することに。そのジムで、傷心の韓国旅行の際に知り合ったプロボクサー(勝利無し)の吉良と再会し、それなりにトレーニングを積んでいく。
 そんな中、吉良の次の試合の相手が宿敵・青山が所属する「マンモス」の社員であることが判明。
 吉良の応援に行った田西は、試合会場で青山と再会することになるが―――

 人間の尊厳を賭けて戦って、それでも破れてしまった田西。(→前巻感想
 ボクシングジムに入会しますが、その理由というのも強くなりたいという思いもあるにはあるものの、寧ろハナちゃん目当てという不純な動機。28才無職、人生に迷いまくっておりますが、自分の限界へ日々挑戦している姿はそれなりに充実したもののようであります。
 小学生よりスタミナが無かったり、マンモスと聞いて青山が居ないかビビってしまったりと、非常に情けない田西君ではありますが、寧ろその姿こそが等身大の人間として親近感を覚えます。

 そして青山との意外な形での再会。
 田西の人生を大きく変え、その敗北を何度も夢に繰り返す怨敵と言っても良いその青山との再会は田西にまた一つ大きな衝撃を与えるのでありました。
 ……ううむ、この展開は正直予想外でありました。

 そしてなんだかんだあってハナに「彼氏がいなかったら付き合ってください」と申し出て「いいけど―――」という返事を貰って驚喜する田西。しかし、彼には聞こえていないハナのその後に続く言葉が……ああ、残酷。

 人生に大迷走しながらも、人生を走り続ける田西。
 いろいろとアレな彼ですが、その人生は我が身に照らして見ると共感を覚えるところも多く、応援したくなります。

ボーイズ・オン・ザ・ラン 6 (6)
ボーイズ・オン・ザ・ラン 6 (6)花沢 健吾

小学館 2007-05-30
売り上げランキング : 220


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

posted by 凡鳥 at 03:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月30日

水上悟志『惑星のさみだれ』3巻

 師匠・兄貴的存在だった東雲半月を喪った夕日の前に現れた、カラスの騎士で半月の弟でもある東雲三日月。だが、彼は兄とは似ても似つかない性格が壊れ気味の戦闘狂であり、同じ獣の騎士の夕日に戦いを挑んできたり、姫に「惚れた!」宣言をしてしまったりと滅茶苦茶で―――

 という感じで、新キャラ大勢登場の第3巻。物語をかき回す三日月だけではなく、騎士団のまとめ役的な馬の騎士・南雲宗一朗や、銀髪のお姉さん・蛇の騎士の白道八宵、そして黒猫の騎士や亀や鶏、カマキリにネズミ、フクロウの騎士まで獣の騎士団が一気に登場。そしてこの惑星を砕く「ビスケットハンマー」を作り出した魔法使いまで登場し、物語は急展開を見せております。

 戦いの中で師匠でもあり、友人でもあった半月を喪った事への恐怖と後悔から抜け出せないでいる夕日。そんな夕日が如何にこの状態を脱し、成長していくかに注目。

 そして、この3巻で滅茶苦茶なインパクトを放っている三日月。ブッ壊れた性格の戦闘狂であるにも関わらず、どこか無邪気で憎めないところがあります。兄とはまた違った意味で夕日の成長の鍵となる人物であります。

 その他にも、「私は無職だ」と堂々と言い放つ南雲や、お姉さん的存在の八宵、彼女と行動を共にする蛇のシアの物事へのこだわらなさ加減など新キャラ達も魅力的。どこか人を食ったような飄々とした感じがあるキャラクターというのは水上作品の大きな魅力でありましょう。

 後半に怒濤の如く登場した他の獣の騎士達はまだどういうキャラなんだかまではよく分りませんが、次巻以降の彼らの言動に期待。それにしても「カジキマグロの騎士」が一体どんなのだったのかが非常に気になります。地上で一体どうやって……。

 もう一つの興味は姫と夕日の関係。
 絶対の忠誠を誓う従者と主という関係でもあり、互いに気になる関係でもあり、というじれったい二人。
 夕日をからかうつもりでいても、見つめられると照れてしまったり、夕日が時折見せる男らしい表情にドキッとして頬を赤らめる姫が何とも可愛らしいですわね。
 そしてこの巻のラスト夕日が様々な経験を乗り越えて、姫の問いかけに忠誠の言葉を捧げ、己の決意を刻むシーンに、これからの展開が気になって仕方ありません。

惑星のさみだれ 3 (3)惑星のさみだれ 3 (3)
水上 悟志

少年画報社 2007-05-28
売り上げランキング : 138

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

posted by 凡鳥 at 03:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月29日

大石まさる『環水惑星年代記』

「ヤングキングアワーズ」連載中、近未来の地球を舞台として描く読み切り連作集「水惑星年代記」シリーズ3巻目。

 科学が進歩している未来でありながら、木々や水面や星空、四季の移ろいや人々の生活にノスタルジックな空気を色濃く残すこの世界観が堪りません。

 本作中に描かれる「水惑星」の文化というのは、その高い科学技術が発揮されているのは基本的に宇宙・空に繋がっていく部分(軌道エレベーターや月面基地など)で、それ以外の部分、地上に暮らす人々の様子というのは、一昔前のゆったりとして少し不便さを伴うような、でもそれがどこか懐かしさと暖かさを感じさせるようなものであるというのはこの作品を読む上で一つポイントかも知れません。

 一番「いい」時代が続く地上と、それをそのままにしておくことを許す新天地への希望と見るべきか、それとも帰るべき場所と進むべき場所の比喩と見るべきか。
 とにかく、この地上と宇宙の関係が生み出すノスタルジーが実に良いのです。

 そんな世界で生きる人達の物語がまた何とも気持ちの良いもので。
 好きなものに打ち込む者、夢を掴むために努力する者、みな純粋で前向き。
 そういった登場人物達の姿を衒いも無く、さらりと描いているためにさわやかな読後感を味わうことができます。
 一つの世界を同じくする連作集のため、それぞれの話は独立していても一つのエピソードと別のエピソードがリンクしていたり、登場人物が繋がっていたりという面白さもあり。

 カケアミを多用した描写が生み出す陰影の描写が雰囲気があってまた実にいいなあ。

 と、読んでいると様々ないいなあ、いいなあ、が出てきてで飽かずに何度も読み返してしまう作品であります。

環水惑星年代記環水惑星年代記
大石 まさる

少年画報社 2007-05-28
売り上げランキング : 129

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

posted by 凡鳥 at 03:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。