2007年02月17日

中山昌亮『泣く侍』(1)

 三代将軍家光の治世。九州の某藩から藩主暗殺の計画者、姉夫婦の一家を惨殺した罪を着せられ、大罪人として追われる物辺総二郎。遺された姪の沙絵を連れ、藩に渦巻く陰謀を暴くため、殺された者達の無念を晴らすため血塗られた道を行く。

 『泣く侍』のタイトル通り、鬼のような強さを発揮しながらも、愛する者を守れなかった怒りと哀しみに満ちた涙を流して人を斬る物辺。
 一筋の涙が流れ、その刹那に閃く白刃の描写が実に決まっております。

 そして、その物辺を憑かれたように追い続ける、経文を書き付けた手ぬぐいで覆った盲目の剣士・伊藤清之進。
 かつて総二郎の親友かつライバルでありながら、藩命により総二郎の姉夫婦を手に掛けた男。忠義と友情の間に揺れながら結局は藩のために刀を振るった男が、藩からは手ひどい裏切りを受け、己の存在意義を否定されていつしか妄執の剣鬼と成り果てた経過が描かれており、下手をするとそのビジュアルと相俟って、この1巻では物辺より存在感が強いかも知れません。

 人に勧められて読んでみたのですが、骨太かつエンターテイメントな時代物で、大変に面白い。続きが非常に楽しみな一作です。

泣く侍 1 (1)泣く侍 1 (1)
中山 昌亮

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posted by 凡鳥 at 22:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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