2007年02月11日

「コミックビーム」2007年3月号

タイム涼介「アベックパンチ」
 行きがかり上絡んだアベックに珍妙なパンチで撃退されてしまったヒラマサ。人工呼吸で彼にファーストキスを捧げたイサキ。そのアベックを待ち続けるヒラマサと、襲撃を受ける彼に女の誘いを蹴って駆けつけるイサキ。どうしようもなく不器用なはぐれ者達の友情と、苦くもどこか清々しい青春。
 「あしたの弱音」の後半からはぐれ者達の詩情みたいなものを描くのがどんどん上手くなってますね。青臭く、ちょっと浮いていながら、しかし沁みる台詞の一つ一つが実にいい。

入江亜紀「群青学舎」
 「北の十剣」シリーズ最終話。王城の奪還を果たし、女王の座に着いたグゼニア。最終的に反乱軍掃討に多大な功をあげたルーサー。二人の想いは通じ合っていたが、ルーサーは国を去り……。
 長い間秘めていた恋情ゆえの「女」としての表情と、王としての毅然とした表情を見せるグゼニアの対比。最終的にはその両方にしなやかに折り合いを付けた彼女の強さが最終的に描かれておりました。

森薫「エマ 番外編」
 今回の主役はメルダース家のお坊ちゃんエーリヒと、その飼いリス・テオ。ピクニックに連れて行った先で、うっかり逃がしてしまった飼いリスが初めて過ごす自然の中の一日と、可愛がっていたものがいなくなってしまったエーリヒの哀しみ。『シートン動物記』の一編のような話だなあ、と思いました。こういう話も書けるのね。

上野顕太郎「夜は千の眼を持つ」
 100回記念ということで8ページの中にショートショート百本立て。莫大な労力をかけて、小さな笑いをとりにいく姿勢が全く素晴らしい! いやあ、本当に素晴らしいですよこれは。

しりあがり寿/安永知澄「なぎ」前編
 「その家の女は17歳になると変死するか行方不明になる」と言われている家の少女・なぎ。どこか陰を帯びた彼女は学校でいじめを受けており、憧れの先輩がいるが声も掛けられず、17歳になることをおそれている。誕生日が近づくにつれ、彼女の体に異変が起き始め……。
 しりあがり寿原作とは思えない伝奇要素を孕んだストーリー。安永知澄の絵でこの手の話がどう展開するか、後半に期待。

金平守人「金平でCHU」
 河原に張った青テントで暮らすシカクおじさん。子供達に生きていく上で資格を取ることの大切さを説く彼に、社会のオチこぼれが何を! という反論する子供におじさんが返した答えは……。
 いや、いいこと言った! と思ったら半回転してまたダメなオッサン。しかしまあ、綺麗にまとまとまり過ぎてて毒気が薄いなあ。金平先生にしては。
posted by 凡鳥 at 19:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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