2006年05月13日

伊坂幸太郎『陽気なギャングの日常と襲撃』

 『陽気なギャングが地球を回す』の続編。

 前回の事件から一年。
 人間嘘発見器:成瀬、正確無比の体内時計:雪子、演説家:響野、天才スリ:久遠ら4人らが関わる事件について描く本作。
 第一章では4人のそれぞれが日常の中で関わった事件を描き、第二章以降で4人全員が関わる誘拐事件を描きます。
 それぞれ無関係だったはずの第1章の事件で提示されていた事柄が、第2章以降で綺麗に収束していく様は、小憎らしいほどに美事であります。

 前作がそれぞれの持つ能力を活かして事件に関わった様を描いたのに比して、今作は4人のキャラクター性がより全面に押し出されている感じで、郷野が盛り上げて久遠が承けて成瀬が締めるという。

 伊坂節というか、このスタイリッシュ感というか、そういうのが益々冴え渡っている感じであります。
 この人の作品にある、いつも弱者はどこかで必ず救われるし、悪者は必ず報いを受けるという、ともすれば湿っぽく陳腐になりがちな勧善懲悪観をサラリとさりげなく描けてしまうところがこの人の筆力なのかも知れません。

photo
陽気なギャングの日常と襲撃―長編サスペンス
伊坂 幸太郎
祥伝社 2006-05

by G-Tools , 2006/05/13


posted by 凡鳥 at 21:35| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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