2006年04月13日

川上弘美『センセイの鞄』

 十数年ぶりに居酒屋で再会したツキコさんと、かつての恩師「センセイ」。
 酒とゆったりとした季節の流れの中ではぐくまれる二人の関係。


 というわけで、今頃読んだ川上弘美の代表作の一つ。
 恋愛ものであるのに、湿度が非常に低いのはその筆が非常にカラリとしているからでありましょうか。老境のセンセイと、中年女性であるツキコさんの微妙な心の距離感とその飄々としたやりとりはもう、本当に上手いとしか言いようが無いですわね。暖かくて優しく、そしてもどかしくて、切ない。ああ、語彙が足りなくてすいません。

 しかし、きちんと時間軸を追い、現実の枠の中で話を進める本作の中にあって「干潟――夢」の章でふと滲み出る幻想小説の味わい。上手いなあ、本当に。

photo
センセイの鞄
川上 弘美
文藝春秋 2004-09-03

by G-Tools , 2006/04/14




posted by 凡鳥 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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