2006年04月08日

鯨 統一郎『白骨の語り部 -作家 六波羅一輝の推理-』

 取材のために遠野を訪れた作家と編集者は、道に迷った山中で白骨死体を発見する。検死の結果、土地の有力者・昆家の次女で、死後一年が経過したものであることが判明する。
 しかし、彼女は数日前まで家族とともに生活していたのである――。


 民話の郷・遠野、女系の旧家、盲目の美女やアルビノの少女といったいわくありげな四人姉妹、村を仕切る二つの旧家、といった道具立てを使いながらも、全体に飄々とした軽さがあるのは、やはり鯨統一郎の味でありましょうか。

 物語の主眼は白骨化の謎と、彼女を誰が殺したかという二点をめぐるもので、鯨作品としては非常にオーソドックスなミステリと言って良いかと。
 もっと奇を衒った捻りを加えてくるかと思っておりましたが、最後まで王道を行って着地。

 しかし、確かに「オシラサマ」の話がモチーフの一つとなってはいますが、この物語の舞台がどうしても遠野でなくてはならない、という程の物語との不可分性というものはあまり無かったような印象も。デンデラ野、コンセイ様など有名な遠野の地名が出てはきますが、それほど重要度も高くはなく。

 しかし、オシラサマに対して為される解釈は、いかにも鯨統一郎らしい話でありました。

photo
白骨の語り部―作家六波羅一輝の推理
鯨 統一郎
中央公論新社 2006-03

by G-Tools , 2006/04/08


posted by 凡鳥 at 01:28| Comment(0) | TrackBack(1) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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白骨の語り部 作家六波羅一輝の推理
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