2007年09月06日

「FLEXCOMIXブラッド」0906

 「FLEXCOMIXブラッド」の更新も今後追いかけて行こうかな、と。
 私的に大注目のカトウハルアキ「ヒャッコ」と山崎毅宜「白球少女」を中心に。
 しかし、更新日時が作品ごとなのでどのタイミングで書いたらいいのかが問題ではあります。一応、雑誌カテゴリで。

 カトウハルアキ「ヒャッコ」15コメ 虎に翼
 人嫌い系眼鏡少女・風末莉冬馬と彼女にちょっかいをかけまくる虎子のお話。いつもよりカラーも多め、ページ多めで嬉しい。

 虎子を煙たく想いながらも、がんがん寄せられる好意に反発しながらも少しづつ、ついには照れながらもそれを受け入れる冬馬の描写が実にいい。
 やー、虎子のアクティブでおバカなんだけど、根っこの部分ですごく良い娘ですね。そしてそういう自分に無頓着なところがまたいい。
 それにしても、髪をおろした虎子がめちゃくちゃ美人。6コメの写生の時もそうでしたが、虎子は隠れ美少女としてのポテンシャルが高いなあ。本人がその辺の女の魅力をカケラも意識していないのがまたステキ。
 次々に新キャラを登場させるこの作品ですが、本当にどのキャラクターも魅力的です。


 山崎毅宜「白球少女」3発目 ホワイトストーンズ
 円の家にやってきた野球部の面々。引っ越しの片付けが終わっていない円を相手にドタバタと。
 相変わらず男どもはバカだし、晴さんは食えないしで、キャラ達が活き活きとしていて大変に楽しい。
 躍動感のある描写、迫力のある構図とか毎回素晴らしく上手いなあ、と想いながら読んでおります。
 
posted by 凡鳥 at 01:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

剣康之『魂☆姫』1巻

 日本を陰から支配する程の権力を持った陰陽道の一派・九曜家の跡取りに選ばれた主人公・五神トモノリ。彼の許嫁と称する剣術少女・一ノ宮灯女(ひめ)10歳がやってくる。その後、次々と九曜の分家の娘達がやってきてトモノリ争奪戦が始まるのでありました。

 という感じで女の子たくさんのハーレムもの。
 ヒロインのヒメは「わらわは〜〜じゃ」という口調の老成系強気ロリ娘だし、第二の婚約者として登場する三條有栖はツンデレ系へたれお嬢様だし、第三のヒロインの四方堂マナは無口系不思議娘。その他にも主人公に想いを寄せている健気系幼なじみがいたりと、様々な属性を取りそろえたお約束ヒロイン達が多数登場。

 九曜の娘達は皆、古の英雄の力を召還することができ、ヒメは宮本武蔵、アリスは戦乙女ゲイレレル、マナは孫悟空と、そんなスーパーパワーを力を駆使してのバトル展開もあり。
 武蔵も悟空も女の子化して描かれている辺りも、そのあざとさがいっそ潔い感じであります。

 この作品は「こういうモノ」なので基本的には難しい事考えず、女の子達のキャラ立ちと、押しかけ女房状態でトモノリの元に集うヒロイン達のドタバタと恋の鞘当て(物理的鞘当ても含む)を楽しむ作品でありましょう。設定・キャラクターに目新しさや強烈なオリジナリティというのはありませんが、逆に押さえるべきとこは押さえた安心した可愛らしさがあります。
 やきもち焼きの10歳少女・ヒメとか、既に噛ませ犬となりつつあるお嬢様アリス、幼なじみというある意味最強のポジションにありながら徹頭徹尾報われないタカミとか見ていてやはり楽しげで華やいでますし。

 ところで、ゲイレレルって何か出典があるのでしょうか。不勉強ゆえ分からなかったので、もし誰かご存じでしたら教えて下さい。

↓ん? amazonの題名が「塊姫」に……。かたまり……。
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posted by 凡鳥 at 01:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月04日

星野之宣『宗像教授異考録』6巻

 「竹取物語」と「浦島伝説」の類似から古代の宇宙観を読み解き、二つは元々同じ物語だったと論じる「再会」
 船の遭難に居合わせた宗像教授が古代の宇宙観と神話の関係性を生き残った人々に語る「テキスト 天空の神話」
 仮面土偶の異様な形状から古代の巫女に与えられた役割と黄泉醜女の本来の姿を論じる「黄泉醜女」
 以上の三編を収録。

 球形の殻が大地包むという構造の渾天説では、その殻空には穴が開いており、そこから差し込む向こう側の光が星であり、その殻状の空の向こう側の世界に広がる世界があったと古代の人々は考えた。
 その殻状の空が回転することによりこの世界に昼と夜という時間の概念が生まれるとすれば、殻の外側の世界はその空の運動とは無関係な昼も夜もない、時間を超越した"常世"であり、老いることも死ぬこともない世界だという。
 あっというまに成長するかぐや姫、箱を開けて急に年をとる浦島。竹取物語と浦島伝説に共通する、「この世の時間と異なる時間の流れ」の描写から、この二つの物語は常世と現世を往還する一つの話が二つに分かれたものだ、と論じる宗像教授。

 嘘か真か、宗像教授の論は相変わらず素晴らしく面白いなあ。
 「再会」では、この常世と時間を巡る物語に、『神南火』で主役を務めた女版宗像教授というべき忌部神奈の一族のエピソードが絡まり合って、スケールのでかい話と成っております。

 そして、「天空の神話」。
 古代人の海路を船で辿る企画で、その船に乗り合わせた宗像教授。
 その船を隕石が直撃! 死者多数! 生き残りに古代のロマンを説く宗像教授! とこちらもまた、ある意味宗像教授らしい凄い話。今までも度々思ってきましたが、宗像教授達にとっては古代のロマンより人の命は軽いのでありました。
「犠牲者には気の毒だけど、航海に参加した甲斐があったような気がする」などと宣う神奈さんはやはり宗像教授と同類でありましょう。

 「黄泉醜女」では、神や人の顔を直接表現することを畏れて避けた、と説明される仮面土偶の顔の異様な表現について、実は中国の纏足のように顔面を押しつぶして人工的に奇形の顔を作り出していたのではないか、と語る教授。
 イワナガヒメが不死の属性を持つのも、醜いもの恐ろしいものに僻邪の力があり、醜さが死すらも退けると人々が信じた故であり、醜い顔で義務づけられて死者の安寧を司る古代の巫女達の存在があった事を指摘。
 その巫女達が時代の変遷とともに神話の片隅に追いやられ、零落したのが死者の神となったイザナミに仕える黄泉醜女ではないかと語ります。

 うーん、大変に面白い論だなあ。宗像教授のエンターテイメントっぷりは相変わらず素晴らしい。
 「黄泉醜女! そういうのもあるのか」といった感じで奇想溢れるこの第六集も大変にオススメ。

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posted by 凡鳥 at 02:46| Comment(0) | TrackBack(1) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月03日

作画:あらきかなお 原作:キャラメルBOX『乙女はお姉さまに恋してる』1巻

 アニメ化されたり、PS2に移植されたりもしましたが、原作は18禁PCゲーム。「電撃大王」に連載中のそのコミカライズ作品。
 原作となるゲームは未プレイ、アニメも未見なので漫画を読んだのみの感想、ということで。

 お嬢様ばかりの女学院に「女の子」として転入してきた主人公の瑞穂。
 全生徒の見本となる「エルダー」に選ばれて「お姉さま」と慕われるようになてしまったり、幽霊のルームメイトが出来たり。
 乙女の園の中、男であることがバレないよう波乱の学園生活がスタートするのでありました。

 と、女装美少年+百合、という近頃のおいしい要素を惜しげもなく取り込んだ設定。
 あらきかなおの描くキャラが、女の子同士でぺたぺたとくっついていたり、からりとお馬鹿な騒動を起こしてみたり、活き活きと動き回る様が大変に華やかで可愛らしい。
 基本的にはそういっ女の子達がじゃれ合う可愛らしさを楽しむ作品でありましょう。眺めておりますと、こう、心の中にあたたかなものが兆してきます。

 ところで。
 主人公の瑞穂、トイレがどうのとか、朝起きたときにアレであるとか、プールに入る時に困る、といった男性であるが故のトラブルが発生することはしますが、セクシャルな部分では完全に無力化されているなあ、と。
 現時点では、誰かとはっきりした恋愛フラグが立っているわけではなし、男として誰かに迫るわけでなし、むしろ女の子達に押されてっぱなし。

 ここで描かれている瑞穂のキャラクターというのは、女性であることに自信がない女の子、というキャラの変種でありましょう。男性であるということはそのコンプレックスに置き換え可能ではないかと。
 そもそも女×女、百合の関係の変奏としての女装美少年なので、瑞穂のキャラとしての比重は女>男にあるのは間違いないところかな、と。

 たとえばコレが同じ女×女でも、男役として両性具有が出てきたりするのとは全く逆の構造となりましょう。
 こちらは逆に女×女の関係の部分が、男×女のヘテロな関係の変奏で、その場合、両性具有の女性の役割は女性の外見を持った男、という。

 何だか自分でも舌足らずな事を書いている自覚があってアレなのですが、この作品の描くところは「男の子の百合」という大変に倒錯したものであり、その中で果たす「女装美少年」のキャラの役割というのを考えたらこんな感じかな、と。

 いや、2巻が出たら全く上の話は成り立たなくなっているかもしれないんですが。原作はその辺どういう扱いになっているかちと興味があります。

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2007年09月01日

「ヤングキングアワーズ」2007年10月号

 しばらく雑誌の感想が書けていなかったのでぼちぼちと再開。

 今月の「アワーズ」は野上武と二宮ひかるの新連載開始で、誌面の印象がちくと変わった感じであります。ヘルシングは単行本作業のためお休みで、ヤンとルークのいつものアレが。

野上武志「月の海のるあ」
 1960年代、南洋パラオ。零式水上観測機を駆る賞金稼ぎ「月影の零」とその娘・るあの物語。
 野上武志らしい兵器+女の子の組み合わせ。
 「月影の零」の正体はちょっと頼りなげなお兄さんで、しかも彼を「お父さん」と呼ぶるあはどう見ても同年代。冒頭に赤子のるあを拾うシーンが描かれているので、どうも彼女はただの人ではない模様。銀髪ですし。
 お父さんラブで悪戯っぽいるあのキャラクターが可愛らしくて、またお色気もありでいいなあ。お父さんも娘ラブのようで。
 なかなか次回以降も注目の新連載であります。

水上悟志「惑星のさみだれ」
 ユキとスバルに「戦い」を教えて散るカジキマグロの騎士。
 師匠とカジキマグロの最後のやりとりが熱い。
 師匠の遺志を受け継いで、立派に戦う二人の少女がまた熱い。
 かっこいいな、師匠。
 一時に一斉に登場した騎士達の人物の掘り下げもこれで一通り終了し、次回からは泥人形との戦いが再開しそうで、それぞれの異なる思惑を抱く騎士達が同じ敵を相手にどういう戦いを見せるか楽しみであります。

二宮ひかる「シュガーはお年頃」
 進路希望調査の紙を前にして「娼婦になりたいと思っています」という眼鏡そばかすの少女の独白から始まる物語。
 さすがにそんなことは書けないのでブログに書いたら炎上してしまって、でも本人は気にしていなくて、というちょっと変な少女。学校で群れる女の子に違和感を感じている彼女は、休み時間を図書館で一人で過ごしている黒髪の少女に興味を持つ。
 という風に将来と今に違和感を感じる女の子の青春物語となりそうな感じ。
 とりあえず第一回目では男性キャラの姿が全く見えませんが、このまま女の子だけの物語として展開していくのでありましょうか。
 だとしたら二宮ひかる作品としては珍しいかも。

石黒正数「それでも町は廻っている」
 嵐山財宝調査隊編のラスト。ついに宝があると思われる場所にたどり着いた調査隊。しかしまあ、やっぱり歩鳥は愛すべきアホの子なのでありました。
 そして明かされる村の秘密。ちょっといい話で、やっぱり馬鹿馬鹿しくて、しかしどこかほろ苦いという余韻を残して夏休みの思い出が刻まれたのでありました。

大石まさる「水惑星年代記」
 ロケット技師一家の中で、義理の姉妹である澪とナツキと暮らす青年・ヨウ。姉妹との三角関係と宇宙にかける夢を描いたお話。ヨウ君モテモテで彼を巡る二人の気持ちと、でも中がよい故の決着の付け方が爽やか。
 若き日のキアラン=ブラック(「続」の「AROUND THE WORLD IN 8DAYS」に登場したフィオナの父親。「環」収録「ムーンシード」主役)が登場していたり、「飛び石」なる物質による新技術開発が語られるなど、この世界の宇宙開発の始めの頃を描いたお話でもありました。
 単行本を見返してもう一回きちんと登場人物とか、時代の順番とか追っておかなきゃ、と思ったり。


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