2007年03月31日

渡辺祥智『からっと!』1巻

魔法の国「カラット」の次期女王の座をかけて戦うことになったユニとメリッサ。しかし、仲良しの二人は別の人間に代理で戦ってもらうことにし、それに巻き込まれて「魔法少女」となってしまった女子中学生・馬場香音の戦いが幕を開ける――

 「私たち友達だし戦いたくないよね」→「じゃあ別の人に戦ってもらおう」
 ……という極めて自己中心的且つ傍迷惑な理由で代理戦争をおっぱじめるユニとメリッサ。可愛い顔してやってることが大変に外道で素晴らしい。
 メガネでおさげで、あだ名は委員長、ちょっと自分を変えてみたい、と思っていた香音の心の隙間を衝いて魔法少女に仕立て上げる辺りも大変に外道です。

 しかも
 「好きな食べ物は?」→「肉うどん?」
 のやりとりで変身の呪文が「肉うどん」に決定してしまうとか大変にバカらしくて素晴らしい。
 肉うどん! のかけ声で変身する魔法少女。前代未聞。
 ちなみに、魔法の杖を召喚する呪文はやけっぱちで「皿うどん」に決まりました。素晴らしい脱力とバカらしさ。
 その杖で対戦相手を殴り倒しました。魔法じゃねえ。

 ちなみに、その殴り倒した対戦相手の魔法少女の正体は男の子でわ ぁ い だし、色々倒錯しております。
 その後も3人しかいない四天王とか次々にバカな相手とバカな戦いを繰り広げ、毎回ギャグが豊富に用意されております。

  「コミックブレイドZEBEL」連載ということで単行本になってから初めて知った作品ではありますが、これは楽しい作品ですなあ。

からっと!(1)からっと!(1)
渡辺 祥智

マッグガーデン 2007-03-30
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相田裕『GUNSLINGER GIRL』8巻

 かつて諜報員として活動していたアレッサンドロと、その彼のパートナーとなった義体・ペトルーシュカ。
 「条件付け」ではなく、一個の人格としてサンドロに恋をするペトルーシュカの存在は、他の義体達の心に波紋を投げかける。

 ジョゼ&ヘンリエッタにしろジャン&リコにしろヒルシャー&トリエラにしろ、その愛情関係というのが表面上は微笑ましくても、条件付けに根っこがあったためにどこか奇形的だったのに対して、サンドロ&ペトラはちと違う趣きが。
 純粋に一人の少女として年上の男に恋心を抱き、自分の知らないその男の過去に嫉妬心を持つ様などは、年相応の女の子らしくて実に可愛い。

 しかしまあ、やっぱりバッドエンドかそれに近い結末の予感がヒシヒシと。

GUNSLINGER GIRL 8GUNSLINGER GIRL 8
相田 裕

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鳴子ハナハル『かみちゅ!』2巻

鳴子ハナハルの画は綺麗で可愛らしいのにひどく色気があって、なんでもない場面でも溢れるエロスがありますのう。いいですのう。

 というわけで、『かみちゅ』はこの2巻で完結。
 転げ回りたくなるくらいに甘酸っぱいですのう! こそばゆい話ですのう! 青春ですのう!
 鈍感極まる少年と内気極まる少女のじれったい距離感! プラス女の子達の友情! コレね!

 アニメに忠実なエピソードが多かった1巻に比べて、物語の骨子は一緒でも肉付けがだいぶ異なっていて、アニメとはまた違った話になっているエピソードが多い2巻。
 アニメを見ていた人も新鮮に物語を楽しめるんではないでしょうか。

かみちゅ! 2 (2)かみちゅ! 2 (2)
鳴子 ハナハル ベサメムーチョ

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2007年03月29日

ざら『ふおんコネクト!』1巻

「まんがタイムきらら」連載の4コマ。
 トラブルメーカーの女子高生・ふおんと、その友人完璧超人の交流(あける)、その妹の通果(みちか)、オタクで自堕落な教師で交流と通果の姉である夕の、ドタバタかつゆるゆるの日常を描く。

 きらら系お得意の所謂キャラクター4コマでありますが、各キャラが立っているのと、小道具に込められた数々の小ネタがオタク心をこちょこちょとくすぐる感覚で読ませます。
 ガッチャマン型の雨合羽とか、Vガンダム風の服とかそういうセンスが。
  起承転結で爆笑、というタイプではなくて、キャラの日常ユルい生活の一場面をニヤニヤしながら眺める感じ。
 アグレッシブに周囲をかき回すふおんと、(メインキャラの中では)最年長のくせに子供のような言動をとる教師・夕が騒いでて、交流と通果が呆れるなり粛正を加えたりするのを何とも言えない"間"を以て描いていてなかなか気持ちがいい。
    
 しかし、夕・交流・通果の三日科家の家族構成はこんなに不必要なまでに入り組んでいるのかしら。前妻の連れ子、実子、後妻の連れ子って余程整理しながら読んでいないとこんがらかります。著者もあとがき漫画で言及はしてますけど。
 そういう複雑な家庭構成ゆえのネタもありますが、正直ここまでやる必要があるのかしらん、とは思います。

 あと、キャラ名の元ネタ、いやー、流石にそれは分からなかったわー。境ふおん=ボーダー フォン、三日科=NTT(みかか)とか英夕=えーゆーとか。

ふおんコネクト! 1 (1)ふおんコネクト! 1 (1)
ざら

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ヒロユキ『ドージンワーク』3巻

アニメ化も決まった『ドージンワーク』。3巻では星君のお兄さんが登場しますが、兄弟揃って難儀な人ですなあ。

 というわけで、相変わらず、平気な顔してとんでもない下ネタをさらりとかましてくる切れ味が素晴らしい。
 その下ネタの主な発生源にして、さらりと毒のある言葉を放つ露理さんがステキ。そういうSッ気があるかと思えば、自分のエロ作品が他人に見られることに悦びを感じるMッ気も併せ持っているのもまたステキ。
 その露理に腐女子妄想をいいように舵取りされてしまっている二道さん。小学生のソーラにまで

「そんなの子供におっぱいつけたのと同じ!」

 と大人扱いされない二道さんは可愛らしいと思います。
 
 やー、しかし、アニメ化するのは色々な意味で大変そうな作品であることだなあ。

リンク:アニメ公式サイト

ドージンワーク 3 (3)ドージンワーク 3 (3)
ヒロユキ

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冬目景『幻影博覧会』2巻

大正時代の東京を舞台にしたミステリ漫画。
 実家を飛び出して探偵稼業をしている松之宮と、その助手真夜。帝都で起こる事件に関わるうちに、未来の出来事を識っているらしい言動を時折見せる真夜。彼女は一体何者であるのか――

 んー、短い尺の中に色々詰め込みすぎて、一つの事件がちょっとせわしない感じで、ミステリとしての緻密さとか事件解決のサプライズやカタルシスを求めて読むとだいぶ肩すかしを食らう感じではあります。
 1巻から示されている真夜の「未来の事をなぜか識っている」という謎も、ほとんど進展のないまま引っ張られているのも些か退屈を招いている感が否めず。
 しかしまあ、それらを押さえ込んでしまうほど、冬目景の画が生み出す雰囲気というのは魅力的。
 洋装・和装が微妙に調和しているこの時代の、冬目景描くキャラクター達を愛でるのが正しい読み方なのかも知れません。

 それにしても松之宮君のボンクラ探偵っぷりがステキ。何も解決していないじゃないかお前! という。

幻影博覧会 2 (2)幻影博覧会 2 (2)
冬目 景

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2007年03月28日

森薫『エマ』8巻

本編に登場したサブキャラクター達に焦点を当てた番外編。この8巻ではエマの最初のご主人様だったケリーの若い頃を描いた「夢の水晶宮」(前後編)、ウィリアム坊ちゃんにフラれたキャンベル家の三女・エレノアの新たな出会いを描く「ブライトンの海」(前後編)、新聞を媒介にしてこの時代の様々な階級の人々の生活を描いた「The Times」、メルダース家でエマと同室だったメイド・ターシャの里帰りを描いた「家族と」を収録。

 本編では見られなかった登場人物の意外な一面が見られて楽しく、また短編として工夫が凝らされた構成も面白い。
 森薫も実は短編向きの作家なんではなかろうか、とコレを読んでいると思います。短い話の中でも、何気ない仕草や台詞からキャラの性格がしっかり伝わってきます。

 個人的には、子供らしい天真爛漫さを持ったダグと、しっかり者で感情表現が不器用なケリーの夫婦の対比が面白く、もう戻らない楽しかったあの日を、切なさとまぶしさを以て描いている「夢の水晶宮」が一番かなあ、と。

 そして、後書きの森センセのプチ暴走が相変わらず楽しいなあ。

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森 薫

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2007年03月26日

施川ユウキ『もずく、ウォーキング!』2巻

 『サナギさん』の施川ユウキが描く、哲学する犬・もずくがほのぼのとした日常の中で繰り広げる思考漫画。「ヤングチャンピオン」連載。

 なんということのない日常の一場面を、詩的且つ哲学的に思考するもずく。その姿はハードボイルドな感じすら受けますが、しかし如何せん彼は犬でありますので、色々とその思考に追っつかない様が楽しい。

 しかし、『サナギさん』もそうですが、施川ユウキという人は、本当にこういう、日常の些細な出来事を突き詰めて考えていって、その思考を最後の段階でズラしてギャグにするという、というのが巧い、巧すぎる。
 そして、絵柄が生み出すすっとぼけた味わいも実にいいなあ。

もずく、ウォーキング! 2 (2)もずく、ウォーキング! 2 (2)
施川 ユウキ

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原作:富野由悠季 作画:中村嘉宏『オーバーマン キングゲイナー』6巻

 ミイヤの遺した古のオーバーマン・ブリュンヒルデとの出会いと別れ、シンシアVSロンドンIMA、エクソダスに関わるゲインとゲイナーの過去、そしてシベ鉄運行部長・カシマル=バーレ登場の第6巻。

 いやー、アニメが終わってからだいぶ経ちますが、やっぱりキンゲは面白かったなあ、と。
 サディスティックにアスハムのゴレームをいたぶるシンシアのドミネーター。あの軟体オーバーマンの驚異の動きが、漫画でもしっかりと感じられて素晴らしい。いやあ、もう一回見たくなりました、あの動きを。
 アニメより尺が自由な分、ゲインの過去、ゲイナーの過去に対する言及も細かい部分に触れております。

 あと、ケジナンとエンゲのアホ面が相変わらずポイント高い。この人達の顔芸は素晴らしいなあ。

オーバーマンキングゲイナー 6 (6)オーバーマンキングゲイナー 6 (6)
富野 由悠季 中村 嘉宏

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2007年03月25日

「コミックチャージ」創刊号

 角川から新創刊された青年誌。「モーニング」に近い読者層を狙っているのだと思われますが、連載陣が地味目の印象。
 角川らしいという印象がなくて、何も知らない人に「モーニング」の別冊と言って渡しても違和感無く読まれそうであります。

 創刊号で角川のお客を引き込もうという意図か、貞本義行が「アルカイック」という短編を書いておりますが、これも今号きりの読み切りだしなあ。タイトルと、開始5ページでだいたいどういう話になるか結末が分かってしまうのはちとどうか、と思ったり。

 今のところ、角川らしいウリがどうも見えないのですが、どういう戦略をとっていくか注目。
 半年後に読んだら萌え作家が席巻している、とか無い話ではないと言い切れないのが角川の恐ろしさで。
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諸星大二郎『私家版魚類図譜』

 「魚」を題材に綴った7つ作品を収めた短編集。

「深海人魚姫」
 チューブワームの森に棲む深海の人魚が、潜水艇に乗った男に恋をし、光の届かぬ深海から、未だ見ぬ上の世界に憧れる。
 嫌われ者の暴君ダイオウイカと、その腰巾着のソコボウズ、外の世界を知るマッコウクジラや、恐ろしい外見だけれど実は優しいコウモリダコなど、人魚姫の物語の枠組みに、奇怪なビジュアルの深海生物を童話的キャラクターとして配したこと、なんとも言えない不思議な味わいを醸し出しております。

「鮫人」
 水上生活者達の集落に流れ着いた中国の将軍が経験する奇妙な体験の物語。
 中国の説話にも造詣の深い諸星大二郎らしい題材で、流した涙が真珠となるという「鮫人」の伝説を元に、ミステリアスかつもの悲しいラブストーリーに。鮫人のビジュアルがいいなあ。

「魚が来た!」
 現在の文明が滅び、その残滓が微かに見られる未来の世界で、機械仕掛けの魚を見つけた少年達が、生きた魚とはどういうものかと調べて回る。
 『私家版鳥類図譜』の「鳥を売る人」と世界観を同じくする話で、微妙に間違って解釈されている我々の時代の生物や文化が楽しい。その上に構築されている、荒廃してごちゃごちゃとしているのだけれど、暗さの無いどこか間の抜けた世界観は大変魅力的です。

「魚の学校」
 甘味屋のマスターの話から、魚が自分の生態を伝授する学校に迷い込んでしまった女子高生。マウスブリーダーのアロワナから口中での子育てを学ぶ母親達や、驚いて胃を吐き出して難を逃れる術をナマコから学んだ同級生、性転換をする友達、おやじギャグをとばしまくるマグロ先生、そして大魚の腹中に……と、カオス度はこの単行本の中では随一。

「魚の夢を見る男」
 妻子にも相手にされず、趣味の熱帯魚に情熱を注ぐ男が、自分が陸に上がった魚になってしまう夢を見る。やがて夢の中の魚に手足が生え、歩き回るようになるが、同時に現実世界で息苦しさを感じるようになり――
 夢と現実が混ざり合った不思議な肌触りの話。ぬるぬると現実との境が無くなっていく辺りの気味悪さなんだか気持ちよさなんだか、そういうのがあります。

「深海に還る」
 「深海人魚姫」の後日譚。
 人魚だった頃の記憶を無くしている女と、彼女が初めて深海で見かけて恋をした男との再会。
 綺麗なラブストーリーとしてまとめたなあ、という印象。

「ネタウナギ」
 著者のネタだしの様子をヌタウナギならぬネタウナギの姿で描いた短編。このユルさがいいなあ。

 という感じで、非常にバラエティーに富んだ作品が集められた一冊。「深海人魚姫」の深海魚達のキャラ立てと物語の組合せ方が実に良かったなあ。

私家版魚類図譜私家版魚類図譜
諸星 大二郎

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2007年03月24日

山田秀樹『魔乳秘剣帖』1巻

エンターブレインのエロゲー情報誌「テックジャイアン」連載していた作品が遂に単行本化。成人マークは無し。

 乳こそが世の理、豊乳にあらねば人にあらずという世の中で、その乳を司る「魔乳一族」。
 乳こそが全てなどという理不尽な世の中を正すため、一族を抜けて旅を続ける娘・千房。
 その彼女を追って次々と襲い来る魔乳の刺客達。
 果たして千房の旅の行く手や如何に!

 素晴らしいバカ設定ですな!
 帯の惹句に「新感覚時代劇」とありますが、新感覚にも程がありますわい。おっぱい時代劇。
 そのバカ設定の上で真面目に王道の時代物ストーリーを展開させている辺りが全く以て素晴らしい。天才かも知れない。

 相手の体を傷つけずに斬り、乳の大きさを吸い取る剣術や、猛毒の母乳など、技もいちいちバカらしくて大変にステキ。現代の山田風太郎と言っても過言ではない。いや、過言か。

 山田秀樹のシャープでカッコイイ絵柄で、こういうバカなことを大真面目にやってしまうという姿勢はなんとも贅沢で素晴らしい。おっぱいがでまくりの本作ですが、あっけらかんとしていてエロではなくあくまでバカ。バカだなあ、実にバカだ。だが、それがいい。

そして、心震わせる名言も。
「わざと見せるおっぱいなどポロリの前には塵も同然じゃ!!!!」
全くだ!

魔乳秘剣帖 (1)魔乳秘剣帖 (1)
山田 秀樹

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2007年03月23日

柴田ヨクサル『ハチワンダイバー』2巻

 「アキバの受け師」との出会いにより、本格的に真剣師としての道を歩むことになったハチワンダイバーこと菅田。
 次に対戦する真剣師は河川敷に住まうホームレス、「二こ神」。
 男達が人生と誇りをかけて挑む勝負。その報酬とは!

 アキバの受け師の「オッパイを揉むこと」である!!

 いやあ、素晴らしく面白いな!
 大の男二人が、実に真剣に「オレが勝ったらこの娘のオッパイを揉む」と宣言。金も、人間としての誇りも、それまでの人生もすべてを超えて「オッパイを揉む」と。
 「それの一体どこが真剣なの?」と当惑するアキバの受け師を他所に、盤面に向かう二人の表情はまさに「勝負師」、一切の妥協を許さない真剣そのもの。揉まれる本人の意志を置いてけぼりにしたままに。

 二こ神さんとハチワンダイバー・菅田のやり取りが実に素晴らしい。勝負の前のやり取りも素晴らしいですが、勝負が決した後の

「さあ! 揉め!」
「やっぱり揉めません!」
「お前も真剣師なら揉まなきゃダメだ!」
「将棋に全てを賭けてきた自分は女の人のおっぱいをもんだことがありません。だから今回だけ揉ませてください!」
「そうだったか……なら、揉んじゃイカン。揉むなよ!」
「え???」
「お前は揉んだら将棋が弱くなる」
「そんなバカな」
「代わりに俺の戦術を……」
「そんなのいりません」

 の流れとか素晴らし過ぎます。直線的なコマ割り、そして短く切られた吹き出しの連続が、これらの流れが実に良いテンポと勢いを与えております。うーん、本当に巧いなあ。

 勝負の熱さ・緊張感と同居している絶妙のバカさ加減のバランスもまた素晴らしい。

 そして、次の対戦相手は漫画家。負ければ将棋を諦めて自分のアシスタントになれという相手に対し、勝てば漫画の主人公を自分にしろ、と応じるハチワンダイバー。
 負けた方の人生が大きく変わる、文字通り人生を賭けた勝負が始まる!

 というところで、次巻も全く目が離せませんな。

 若き日の二こ神さんを描いた書き下ろしオマケ漫画がまた泣かせます。

ハチワンダイバー 2 (2)ハチワンダイバー 2 (2)
柴田 ヨクサル

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2007年03月22日

原作:横山光輝 脚本:今川泰宏 漫画:戸田泰成『ジャイアントロボ 地球の燃え尽きる日』1巻

あの今川版「ジャイアントロボ」が戸田泰成の手によって新生!
 というわけで、今川節だけでも濃いというのに、戸田節まで投入されてもの凄い濃い作品に。

 エピソード的にはOVA「地球が静止する日」の前になるのでしょうが、組織の名前や人物設定が若干違っていたり、世界設定そのものが異なっていたりするので、「静止する日」とはまた別のパラレルな話と見るべきでしょう。

 1巻全編これ彼の見せ場、実はもの凄い特殊能力を所持していた「幻惑のセルバンテス」
 ダンディなおじさまから妙な迫力に満ちたおじさまになった「衝撃のアルベルト」
 もの凄い悪役面で悪役っぽい台詞を放つ、饒舌な「静かなる中条」
 まるで人が入っているみたいな濃い面構えのロボ。
 OVAでは姿を見せなかった者もいた九大天王が早くも全員登場! そしていきなり全員死亡! の展開などなど、全編にわたってもの凄いインパクトの連続。
 きら星の如き濃いキャラ達が繰り広げる大活劇。そう、まさに「活劇」の名がふさわしい大エンタテイメント。

 ケレン味に於いては右に出る者のない今川脚本と、それに十二分に応えている戸田泰成の作画。いやぁ、濃すぎるほどに濃い。しかし、これで面白くならない筈がないですな。

ジャイアントロボ地球の燃え尽きる日 1 (1)ジャイアントロボ地球の燃え尽きる日 1 (1)
横山 光輝 今川 泰宏 戸田 泰成

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2007年03月21日

山口貴由『覚悟のススメ』(1)

全五巻で完結予定の新装版。この1巻ではチャンピオンコミックスの3巻半ば、第19話:戦術鬼・毒魔愚郎との戦いの決着までを収録。

 いやあ、今読み直しても熱い。熱すぎる。
 覚悟の活躍をB6版のちょっと大きくなった版面で読めるのは嬉しい限り。

 ただ、カラーが収録されているのは1話目のみで、それ以外のカラー扉等はモノクロになってしまっているのは残念。折角の新装版なんだから連載時のカラーページはそのままで……と思うのは贅沢でしょうか。

 でもまあ、表紙の今の若先生の筆になる書き下ろしの覚悟と零、そして巻末に納められた若先生の連載時巻末コメントが読めるだけでも十二分に価値はある新装版であります。

覚悟のススメ 1 (1)覚悟のススメ 1 (1)
山口 貴由

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原作:南條範夫 漫画:山口貴由『シグルイ』(8)

虎眼先生の仇討ちが認められ、遂に刃を交える事になった藤木と伊良子。その死闘を描く八巻。

 これで勝負ありか! と思われる決定的状況が、二人の異常なまでの執念とそこから生まれた技によって次々と覆っていく。
 物語中の経過は三合斬り合ったのみという極々短い時間。それにも関わらず、劇的に変化していく状況。命を賭けた勝負の凄まじいまでの緊張感が、画面からひしと伝わって来ます。

 「RED」での連載を読んでいる時から毎回が山場のようだと感じておりましたが、単行本でまとめて読むと一層その凄みを感じます。一コマたりとも目がはなせません。
 若先生は一体どこまで高みに登られるのか。

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南條 範夫 山口 貴由

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「チャンピオンRED」07年5月号

藤見泰高/カミムラ晋作「ベクター・ケースファイル」
 今まで散発的に掲載されていた作品が連載に。
 虫愛づる姫君がその知識を活かして昆虫関係のトラブルを解決していく、というお話。今回は売り出し中の建築家の家に発生してしまったシロアリを題材とした話。わらわらと出てくるシロアリが気持ち悪くて大変に良いと思います。

南條範生/山口貴由「シグルイ」
 腕を切り落とされた藤木に止めを刺そうとする伊良子。そこに立ち上がった牛又師範。伊良子の陣営からも検校が雇った者達が出てきて助太刀同士の戦いが開始。
 多勢を相手に鬼神の如き強さを発揮する牛又。「かじき」を振り回して肉を断ち切る様は凄まじいの一言。いやー、しかし本当に毎回が山場といっても過言ではなく、ここ数ヶ月の緊張感は凄まじいものがありますな。

戸田泰成「ジャイアントロボ 地球の燃え尽きる日」
 新章開幕。アルベルト以外の十傑衆に孔明、呼延灼らがお目見え。中でも「白昼の残月」はこの章の名前にも挙げられ、映画「鉄人二十八号」のサブタイトルでもあり、重要なキャラクターのよう。
 そして「ごきげんよう」とハモって現れる中条長官と韓信元帥。濃いキャラクターが目白押しであることだなあ。素晴らしい。

廣瀬周「エル・カザド」
 賞金稼ぎの少女・ナディと、高額の賞金が賭けられた少女・エリス。エリスを追っていたナディだが、いつのまにか彼女を助けて旅をすることに……。
 アニメに先駆けたコミカライズ作品。07年2月号「おしおきシャーマン娘」が掲載された作者の初連載作。
 アクションで魅せ、お色気もありでなかなか楽しい作品。アニメも見てみようかなあ、という気になります。

井上元伸「オルビム」
 うーん、なんだか画が荒れて来ているような。美形と言われて美形に見えないのはちょっと困る。しかし、それにしても妙な魅力を持った作品であります。目が離せない感は異常に強い。
 あと、クレジットから板垣恵介の名前が消えてたりします。
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2007年03月19日

「サンデーGX」07年4月号

真島悦也「コイネコ」
 ナオが夢の中で彷徨ったいつもの街と見た目は同じだけれど、シンタのいないパラレルな世界。そこで同じナオの名を持ち、ナオの心に響く歌を歌う猫と出会い――物語の核心に迫るエピソードの予感。ネコが女の子になっちゃいました、でなくて、きちんと人間になる理由まで描いていくのでしょうか。

やまむらはじめ「神様ドォルズ」
 大学敷地内の森で案山子のコントロールの練習をする匡平と詩緒と日々乃。褒められると照れちゃって上手く行かなくなったり、おにぎりをガツガツと食べ過ぎて喉に詰まらせたり、感情表現が下手で色々と不器用な詩緒のキャラクターが大変に可愛らしい。オカルト否定の理系女子大生が登場したりして、これからの物語に絡んできそう。やまむら作品の中で一番掴みがいい作品じゃないでしょうか、コレ。

高橋慶太郎「ヨルムンガンド」
 何やらただごとでない因縁があるらしいヨナとキャスパー。物語は3ヶ月前の過去に遡り、ヨナがまだ少年兵だった頃を描く。友達を失い、殺人機械と化して武器商人に復讐するヨナ。人を殺すこと自体に何の感情も伴っていないヨナの無機質さがいい。
 まだキャスパーは出てきていないけれどここからどう絡んでくるのか。

イダタツヒコ「誰かがカッコウと啼く」
 作馬が11歳の頃の話。小学校でともにはぐれ者として仲良くなった一人の少女。その少女と作馬の約束がこの世界を変容させた原因だという。
 今まで謎のまま展開されていた物語設定がここにきてようやく明らかに。内気な少年少女同士の純粋な交流と、歪な理想。ここまで世界設定が謎のままで来ていて分かりづらいなあ、という感もありましたが、グッと話が盛り上がってきていよいよイダタツヒコの本領発揮か。これからの展開が非常に楽しみです。

宮下裕樹「正義警官モンジュ」
 前回でモンジュに破れたシンヨウ。そのシンヨウとはかつてその開発者・神谷が飼っていた犬の名前だった――ということで語られる「大嫌いだった」犬・シンヨウと神谷さんの幼い頃の話。自分のエゴで酷い目に遭わせてしまったシンヨウへの悔悟と感謝が語られ、神谷の人生の一つの曲がり角が描かれております。動物ネタでこう持ってくるのは多少ズルい気もしますが、やっぱり巧いなあと思います。
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2007年03月14日

友美イチロウ『みーたん』(1)

「コミックハイ」で異彩を放っていた問題作が遂にコミック化。
  ニートの目の前に突如現れた全裸ロリ少女の姿をした地底人・みーたん。そんなみーたんが身も蓋もなくニート・おたく、ダメ人間をこき下ろす、そんな漫画。そして全編に満ちた色々な意味での「いいのか、コレ」感。

 とにかく、可愛い笑顔を全く崩さず猛毒を吐き続けるみーたんが恐ろしい。読んでて心にズキズキとクるものがあります。あんまりにも直截的なので読んで怒る人もいるだろうなあ、と思いつつ、その嘲罵もダメ人間への愛惜を感じたり感じなかったり感じなかったり。

 表紙や裏表紙、カバー裏も本人が描いておらず、山名沢湖他「コミックハイ」連載作家陣の走り書きだし、ハシラのアオリとかページ数も連載時のまま、という超テキトー感覚溢れる体裁。そこら辺も織り込み済みの作品なので問題はないのでしょうが。

 何というか、コミックハイにおけるヒールのレスラー的存在の漫画。ザッツエンターテイメント。

みーたん 1 (1)みーたん 1 (1)
友美 イチロウ

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posted by 凡鳥 at 01:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月13日

「コミックビーム」2007年4月号

タイム涼介「アベックパンチ」
 うーん。この作品は実にいいなあ。
 はぐれ者達の鬱屈と、世界からの疎外感を、深刻さを振り払って乾燥したユーモアと詩情を以て描いております。個人的には今ビームで一番注目している作品。

吉田戦車「宇宙巨人アムンゼン」(新連載)
 地球から遠く離れたスコット星。怪獣ハトラに追われるスコット星の少年・ゾリーは絶体絶命のピンチに不思議な光を見、気が付くと謎の巨人アムンゼンと一体化していた!
 ウルトラマン的な立ち位置のアムンゼンはオッサン顔だし、怪獣の吐く痰を吐き返して「こんな痰では売れん!」と言ったり、一体何者なのか正体がさっぱり分かりません。
 吉田戦車的奇妙な登場人物は妙に味があってやっぱりいいですが、1話目ではこれから話がどうなっていくか全く予想がつきません。

森薫「エマ 番外編」
 ヴィルヘルムとドロテアの朝の目覚めで交わされる語らいで明らかになる二人のなれそめ。情熱的なドロテアとぶっきらぼうなヴィルヘルム。ベッドの中で二人の思い出話をしっとりと描いております。相変わらずドロテアはべったりで、ヴィルヘルムは淡々として面白い距離感をかもしつつ、実にラブラブ二人な二人であります。

しりあがり寿/安永知澄「なぎ」
 遂に異形のサナギになってしまったなぎ。ここから世界を破壊する鬼が羽化する、とそのサナギを殺そうとする父親に、なぎがこの世を憎めば破壊神に、愛していれば救世主が誕生すると説明して従兄。何とか世界を愛するように、となぎが好きだった男子生徒に愛を語らせようとするが――
 伝記的前フリをしながら、ああこういう風にオチをつけるんだ、という感じ。らすとのバカっぽさとオチのしょんぼり感はなかなかステキ。このネタを安永知澄の画でやることに意味があるのだなあ。

posted by 凡鳥 at 01:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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