2007年01月31日

群青『しましま』

「しましま」と呼ばれる妖怪が人間達と暮らす町で、そのしましま相手に土産物を売っている大葉屋。
 その大葉屋に暮らす、本人はしましまが大嫌いなのに相手からは好かれてしまう次男(つぎお)。彼を主人公として、しましま神が眠る山の麓を舞台に、大葉屋の人々としましま達が紡ぐ物語。

 次男普段はおっとりしているけれども弟のこととなると人が変わる長男、好奇心の塊で怖い物知らずの女の子みっちゃん、しましま神と関わりの深い女性と同じ名前を持つ祝子、そして多彩な性格と姿を持つしましま達。
 登場キャラクタ達は皆個性的で良く動きます。特にのりちゃんの子供らしい好奇心で動きまくる様が愉快。

 喪った過去の体験からしましまが大嫌いな次男。しましま達との交流を通じて、その喪われた過去を思い出し、過去の蟠り解消していく様を描きます。

 ただ、投げっぱなしになってしまっている伏線や設定がいくつもるので、ストーリー的には若干消化不良の印象も。ちょっと惜しいなあ。

しましましましま
群青

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2007年01月30日

森ゆきなつ『いんどあHappy』(1)

 ごろ寝とゲームが大好きで食いしん坊の座敷わらし・小梅と、彼女が憑いた家に暮らす家族の日常を描くほのぼの系4コマ。

 ガムコミックス『マブイノコトワリ』の色気のある等身が高い絵柄とは打って変わって、等身低い可愛らしい絵柄に。
 ロリッ子座敷わらしの小梅のぐうたらな生活を温かい目で見守る感じの4コマ。読んでて吹き出すような笑いではなく、ユルい間と可愛らしいキャラを愛でるタイプの漫画でありましょう。

 『マブイノコトワリ』の絵のイメージが強かったので、この絵柄は何だかとても意外な印象。でも、こっちのタッチが本来的なものなのかなあ。『マブイ〜』にときどき登場するデフォルメ絵を見るに。

 この可愛らしい絵柄もいいですが、個人的には「マブイ」の時の等身高い絵柄に堪らなく色気を感じるので、でもう一作、ストーリー物を見てみたいなあ、と。

いんどあHappy 1 (1)いんどあHappy 1 (1)
森 ゆきなつ

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2007年01月28日

水上悟志『ぴよぴよ 水上悟志短編集Vol.2』

 『げこげこ』に続く水上悟志の短編集2冊目。

 ニワトリにならずでっかくなるヒヨコと父と娘の家族を描いた表題作「ぴよぴよ」
 兜と面頬で素顔不明の少女と、彼女からから告白された少年の「魔界斬妖剣・ドキドキ地獄変」
 事なかれ主義、何事もやり過ごし無為に過ごしている青年の葛藤を描く「がんばってちゃんとやめよーぜ」
 毎日同じ事の繰り返し、というサラリーマンが実際に同じ2月14日を何度も繰り返すことになる「えらぶみち」
 妖怪と人間が暮らす百鬼町で、才能の無い退魔師の一族の娘・きららが道に突然現れて通交の邪魔になっている「猫のたまご」をどかそうとする「サンダーガールと百鬼町」
 百鬼町にやってきた顔の真ん中に穴が空いている妖怪が、自分が何者かを探る「風穴頭と百鬼町」
 以上を収録。

 とぼけた味わいのある珍妙な人外生物と、それらを違和感無く受け入れてしまっている懐の広い世界、そしてそこから紡がれるちょっと照れくさいようないい話、と水上悟志の短編の要素が詰まった一冊。

 個人的には「ぴよぴよ」の巨大ひよこ源八郎の存在感とすっとぼけた味わい、話の綺麗な締め方が大変にお気に入りです。堅物なのにボケ役のお父さんと、ツッコミ役娘のすずめちゃん、そして巨大ヒヨコの源八郎が作り上げる「家族」の雰囲気が実にいい。
 「サンダーガール〜」の甘酸っぱさとか、「がんばってちゃん〜」「えらぶみち」の青臭さも相当に嫌いではないです。

 んー。良い話だなあ。長編になるとバトル物になる水上悟志(こちらもとても上手い)ですが、短編の話と雰囲気作りが際だって上手いと思います。

ぴよぴよ―水上悟志短編集Vol.2ぴよぴよ―水上悟志短編集Vol.2
水上 悟志

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「コミックガム」2007年3月号

・きづきあきら+サトウナンキ「メイド諸君!」
 メイド姿のまま鳥取の部屋にやってきた千代子。互いに好意を持っているのに、女生徒の距離の取り方が分からず嫌われることへの恐怖から、あくまで「メイド喫茶のメイド」でいてくれとチョコを突っぱねてしまった鳥取。
 あー、こういうオタクの心理を多少の誇張を交えつつ取り出してくるのは本当に上手いなー。
 しかし、チョコはメイドとして鳥取のところに押しかけてしまうのでありました。アグレッシブだなあ。話は恋愛モード突入なのかしら、と思いつつもこのコンビの場合は何か黒い展開が待っていそうな予感。

・みなぎ得一「足洗邸の住人達、」
 ん、タイトルがまた変わったような。久々に登場の誄歌がおちょくりつつも福太郎に喝を入れたり、福太郎が出て行くことを聞きつけたお仙が、不器用且つ迂遠に過ぎる告白をしたり。こういうときにギヨタンの話を持ってくるとか素晴らしいチョイスだなあ。
 あ、そういやまたタイトルが変わってますね。先月からでしたっけか?

・かかし朝浩「暴れん坊少納言」
 清少納言はツンデレである、というネタの連作短編最終回。
 中宮定子からの招請を逃げ回る少納言。いきなりのことで迷う少納言だが、無骨者の光則が言った言葉に感じるところがあり、出仕を決意する。
 乱暴で才走っていて負けん気の強い少納言、無骨だが筋の通った橘光則、いい性格をした中宮定子など、非常にキャラが立っていて楽しかった。ツンデレフォーマットを上手く使いこなしつつ、まとまりの良い短編に仕上げた印象。才女ではなく乱暴者という新しい清少納言像も面白かった。

・ワタリユウ「呪禁師は人形を抱いて嗤う」
 フィギュア作りが趣味のボンクラ歯科医師、実は腕っこきの呪禁師だった、という。助手のお姉さん達をフィギュアを媒介に傀儡化して戦うお色気ありのオカルティックバトル物。ガムは本当にこういう作品多いなあ。好きですけど。具現化した呪詛のデザインとか中々格好良かった。
 しかし、お兄さんの形見が萌えフィギュアっていうのも凄い話だ。
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「月刊少年シリウス」2007年3月号

・新連載・志村貴子「ルート225」(原作:藤野千夜)。
 志村貴子作品では初の原作付きコミックになるのでしょうか。何だか世の中に疲れてスレちゃってるお姉ちゃんと、弱気な弟君。弟君を迎えに行った帰り、迷うはずもない慣れた道なのに、二人は見たこともない風景の町に迷い込んでしまい――という。お姉ちゃんの心の動きの描写の濃やかさとかが志村貴子らしい。原作は未読。

・木静謙二/平山夢明「鳥肌口碑」。
 平山夢明の同名作品コミカライズ。原作の持つ原因もオチも無い怪談の鬼魅の悪さが巧く漫画にまとまっております。この間の「新耳袋」も巧いと思いましたが、木静謙二はエロだけの作家ではないなあ。

・竜騎士07/野沢ビーム「怪談と踊ろう」。
 新連載。同人ゲーム「ひぐらしのなく頃に」の作者監修のホラー。
 中学三年生三人組が退屈しのぎに作って流布させた「お骨サマの呪い」の話。始めは面白半分だったが、やがてその呪いは一人歩きして大きくなってく――。
 設定自体は目新しいものではないですが、その「呪い」が血肉を獲得していく様、その作者がそれをバカバカしく思っているのに、徐々にその中に飲み込まれてしまう様を丁寧に描いていて1話目からストーリーに引き込まれる感じ。
 画は正直今風でも派手でもないけれど、こういう話には合っているのかも知れないなあ、などと。次回以降のホラー分が増えた時に期待。

 しかし「竜騎士07」は「りゅうきしれな」と読むのだと聞いておりましたが、「りゅうきしぜろなな」とルビが振ってあってどちらが正しいのかしら。

・上田悟司「DripTrip」
 第3回シリウス新人賞入選作家の読み切り。
 組織を脱走しようとするスライム男と融合してしまった少女が、組織の追っ手と戦う、というお話。話はまあ、それだけなんですが新人とは思えない達者な画。
 女の子&スライムということでもっとドロドロでエロチックな描き方でも良いんじゃないかとも思ったのですが「『少年』シリウス」だから抑えめなんでしょうか。
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2007年01月27日

「ヤングアニマル」2007.02.09

 若杉公徳「デトロイト・メタル・シティ」。DMCの次の対戦相手は女デスメタルバンド「パイパニック・チェーンソー」。しかし開演直前にクラウザーさんがトイレに入ってしまったためジャギ様とカミュさんだけで戦うことに。
 うーん。素晴らしいジャギ様の一般人っぷり。そして相変わらず淡々と狂気を秘めた行動をするカミュさん。「ふたりエッチ」ネタには笑ってしまいました。

 東雲太郎「キミキス」。
 明日香編がスタート。無防備にのぞき込む胸元のチラリズムとか、ボールを蹴る際のヘソチラとかスパッツとか、明日香らしいお色気が多分に。それにしてもスポーツドリンクで間接キスになってしまって「咲野さんの味がする……」とか相原君はゲーム版に劣らず素晴らしい感性をしているなあ。

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2007年01月26日

「アフタヌーン」2007年3月号

 永井豪漫画家生活40周年記念ということで「豪ちゃんマガジン」という小冊子が付録。200ページ超ってすごいなあ。

田丸浩史「ラブやん」。庵子が遂に結婚。なんだかんだで仲良かったカズフサは……。珍しくビターなエピソードに。
植芝理一「謎の彼女X」。ガーターベルト着用の卜部さん。ああ、大したことはしていないのにこの淫靡さは何事か。
田中ユタカ「ミミア姫」。11歳の誕生祝いで、両親から、友人達から、世界から惜しみない祝福と愛を受けるミミア姫。田中ユタカ先生はアガペーの人になったのだろうか。
熊倉隆敏「もっけ」。もう一人の見鬼の少女、御崎さんのヘヴィな過去が語られる。瑞生と離れて暮らす静流の物語のパートナーとしての地位を確立か。
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御船麻砥『ヤオヨロズガール』(1)

 十六年前の災害で半壊たニホン。あらゆる物が不足し、人々が復興に努める世界をパワフルに生き抜く少女・吉備津百花の物語。「コミックバーズ」連載中。

 元気少女・百花、なし崩し的に彼女と行動をともにすることになったインテリの猿山、浮浪児だったが百花に救われて彼女の子分となった犬養と「桃太郎」をモチーフにしたお話。キジは第二話で拾ったけれどその後出てきていないような。

 文明が半壊した世界設定ではありますが、悲壮感は一切無く、「おばあちゃんに褒められたい!」の一心から、ちょっとおバカであっけらかんとした百花が、その異常に高い身体能力で事件を起こしたり解決したりするコメディ。
 眼帯付けて容赦なく娘をぼてくり回す婆さんがステキ。

 ちょっとオシャレ系の絵柄ながら、クセのないギャグは万人が楽しめる作品でありましょう。

ヤオヨロズガール 1 (1)ヤオヨロズガール 1 (1)
御船 麻砥

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2007年01月25日

アントンシク『ガゴゼ』(2)

 陰陽師・土御門有盛に力を封じられ、童子の姿になってしまった大鬼、ガゴゼ。
 部下の妖怪達に命を狙われ逃げる中で、少女・鬼無砂と出会い、人と心を通わせたかと思われたが、「鬼」であることの宿命からガゴゼは彼女を捨てて再び放浪する。
 そんな中、有盛の放った式神・青龍と出会い、復讐のために京を目指すガゴゼ。
 そして有盛は、飛び散ったガゴゼの妖気を集めるために一人旅立つ――。

 
 童子の姿となってもなお猛々しいガゴゼ、異形の傷を仮面に隠す美貌の陰陽師有盛、チャーミングだけれど強大な力を秘めた青龍、など魅力的なキャラクターが、それぞれの思惑を持って物語を動かしております。

 鬼無砂の優しさから、人の心の温かさに触れるも、「鬼」であるが故にそれを理解できず、彼女を傷つけてしまい、そのことに戸惑いながらも、一方で自らの力を封じた人間に激しい憎悪を抱いているガゴゼ。この相反する感情が物語の鍵であり、また彼を魅力的なキャラクターにしております。
 そしてそんな「人」との関わりに戸惑うガゴゼに、今なお忠誠を誓う山犬の妖・朝倉は「人を食らえ」と進言するのでした。

 そして、時の権力者・足利義満の調伏のため呪詛の祈祷を陰で行う有盛。彼の額にある傷は何なのか、そして彼が呪殺に用いるカシリサマとは。
 そしてガゴゼの力の衰えとともに恙虫に食い壊されたかつて人間がガゴゼを恐れ、神に祭り上げ「大朽御魂残主」と呼ぶ彼の依代の朽木。そこに残る思い出せないガゴゼの記憶とは。
 様々な謎を孕み、物語は展開していきます。

 そして、禍々しく、そして迫力のある妖怪達の描写はとても魅力的。
 グロテスクな妖怪と、端正な人間のキャラクターが調和をもって描かれるこの画は得難い魅力に溢れております。

ガゴゼ 2 (2)ガゴゼ 2 (2)
アントンシク

幻冬舎コミックス 2007-01-24
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2007年01月24日

山田芳裕『へうげもの』(4)

 天下は信長から、秀吉の手に。
 それに伴って、左吉は遂に「織部」の官職を手に入れ「数寄の天下取り」を宣言するのでありました。

 いやあ、面白い。相変わらず、なんと面白い作品でありましょうか。
 天下の趨勢が移り変わり、侘びに目覚めた左吉。
 かつての己の名物好み一辺倒を顧みて赤面する様や、己の妻の乳首をモチーフに焼き物を作らせたり、「織部」を「OLIVE」から採るなど、いちいち素晴らしい。
 そして今回も冴え渡る顔芸。

 織部以外の登場人物たちの描写も振るっております。
 己の美意識のため帝の毒殺すら口にする千宗易。
 眉すら無いのぺえっとした顔の三成。
 権力のために己の人間性をねじ伏せようとする秀吉。
 その解釈の大胆さと自由さには舌を巻くばかり。

 「OLIVE」=「織部」の名を手に入れ、いよいよその数寄に磨きをかけ、美を追いかける立場から、己の美を創り出して行く立場になった織部。今後の彼を、そして歴史をどのように描いていくかが楽しみでなりません。

へうげもの 4 (4)へうげもの 4 (4)
山田 芳裕

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2007年01月23日

「コミックリュウ」2007年3月号

 石黒正数「ネムルバカ」が第2話目掲載。何でもない大学生のセンパイとコウハイの日常を描いているだけなのに、この面白さは一体どうしたことか。
「それ町」もそうですが、この人はこういうの上手いなあ。

「ルー=ガルー」。事件を追って記者達が校内に入り込んで、被害者でもある矢部さんの秘密を嗅ぎつける、という。原作を読んだはずなのに細部をすっかり忘れているなあ、自分。登場する多彩な女の子達もキャラ立ちしてて実に上手くコミカライズ去れている印象。

永井朋裕「サテンdeヒナカ」戦隊ヒーローの紅一点がメンバーと二股かけていて戦隊がメタメタになるのを、ヒーローを支える喫茶店の店主ひなかが取り持とうとする――という話。お色気・ギャグありで読んでて楽しい。しかしまあ、強引に良い話でシメなくても良いんではないかなあ、とか思った。

 「リュウ」は全体的にレベル高めの作品が揃っていると思いますが「看板作品って何?」と聞かれると困ってしまうという、地味目の印象が拭えません。
 いや、面白いんですけど。
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2007年01月21日

「サンデーGX」2007年2月号

真島悦也「コイネコ」。温泉旅行でサービスシーン多数の展開に。それにしてもこれだけベタベタくっついてて一線を越えないとは、シンタ君にはチンコが付いていないのかも知れない。

広江礼威「ブラックラグーン」。復讐に乗り出したロベルタ大暴れ。邪悪な表情で拷問をする様が全く素晴らしい。この展開の最後でやっぱりロベルタ死んじゃうのかなあ。

やまむらはじめ「神様ドォルズ」。マンションの一室でバトル。「日常」に居たいがために周囲を気にして戦えない匡平。阿幾の挑発に対し、詩緒が挑むが――。折角色々我慢していたのに二人のせいでもう大変なことに。詩緒ちゃんは無茶をするなあ。そして相変わらず、やまむらはじめの描く気丈な女の子は可愛い。

高橋慶太郎「ヨルムンガンド」。オーケストラ編終了。ヨナに語りかけるココの言葉が巧い。チナツに対する態度といい、表層は軽くても、芯は冷徹かつ優しいココは本当に面白いキャラだなあ。

島本和彦「新・吼えろペン」。サンデーGX……じゃなかった、月刊シャイニングの人事異動の話。いやあ、生々しい話満載で実に面白い。編集者が抱える金の卵新人とその異動に伴う他社排出の話。吉崎○音のあのキャラみたいなので吹いた。大変に面白かったけれど、こんなこと書いちゃっていいのかしらん。
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2007年01月20日

「ウルトラジャンプ」2007年2月号

 「皇国の守護者」は今月も休載。うーん。

諸星大二郎「未来歳時記 百鬼夜行」。
 バイオテロで荒廃した未来。荒れ地からお化けの行列がやってくるという噂を確かめに行った少年は実際にその百鬼夜行を目にし、同じく噂を確かめた少女と出会う。少女はそのお化けはバイオテロを受けた人間達の子孫で、他の動物の遺伝子が入ってしまうのだという。そして自分たちが人間の姿をしているのは、薬の力で発現しないように抑え付けているに過ぎないと語る――
 砂上の楼閣の文明社会と、そこから離れようとする異形達。子供達は本質的な部分でその文明の虚構性を感じ、そこから離れようとしていく。どこか哀しい調子を帯びて語られる諸星SFワールド。
 それにしてもなぜ「UJ」に諸星大二郎。いや、個人的には嬉しいんですが、UJの読者層から離れているよなあ、と。

神木啓「ヴァンピール」第12回21世紀ウルトラ漫画賞奨励賞受賞作、だそうで。
 洋館に住む女吸血鬼の元に、グールに襲われた村を助けて欲しいと願い出たシスター。グール退治に女吸血鬼と人狼執事は出かけるが――。
 冒頭を読んだだけでストーリーの予想が付いてしまって、実際その通りに鳴ってしまう辺りは、お約束を狙ってやっているにしてもちょっと勿体ないなあ。「HELLSING」の影響を受けてるなあ、という印象。というか、そう思われても仕方ない描写の仕方が。
 でも、ちょっと荒いけど力強い線は魅力的。

 今月こそは「皇国の守護者」を読めると思ったんだけどなあ。うーん。
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「チャンピオンRED」2007年3月号

 付録として「チャンピオンREDセレクションズ2」という小冊子が付属。
 取り敢えず、山口貴由の描く「マカロニほうれん荘」が読めるだけでも価値があります。

新連載「オルビム」。なんともまあ、秋田書店らしい濃い作品が始まったなあ、という印象。何だか分からないけどとにかく天才らしい黒逸大冴とう高校生が(多分遺伝子操作で生まれた天才)同じようにして生まれた八の大罪という天才達と戦う話になるのでしょうか。格好いいんだかダサいんだかギリギリのラインでせめぎ合ってるネームが妙に印象的。それにしても濃い……。

「聖痕のクェイサー」。塩素のクエィサーの登場と、それに関わるテレサの過去。金属の属性を巧く活かして戦いを演出しているなあ、という印象。些か理屈っぽい感じがしないでもないですが。あと、どうにも変態的な色気を入れてくるなあ。ノーパン。

「シグルイ」。毎回言っててアレですが、本当に凄い。絶対に決した、と思われた勝負がぐるんぐるんと何回でも、しかも途轍もない方法でひっくり返る様が凄まじい。しかし、そうでありながら「簾牙」っていつの間に編み出したんだ! とかそういうツッコミを入れられる辺りが堪らなく愛おしい作品です。
次辺りでこの試合は決着が付くかしら。

「ジャイアントロボ」。相変わらず無駄に迫力とハッタリに満ちていて全く素晴らしい。幻惑のセルバンテスの術を破ったのは国際警察連合にも、BF団にも属さない村雨一家。そしてセルバンテスの死。それにしても平行世界を渉る能力を持っていたというバンテスおじさんに驚愕。

いやあ、REDは本当に毎月毎月濃くて素晴らしいなあ。
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2007年01月19日

武富健治『鈴木先生』(1)

 宝島社の「このマンガがすごい」の上位の作品の中で、唯一名前すら知らなかった作品。イカンなぁ、と思いつつ読んでみました。

 生徒に人気の中学校教師鈴木先生が、学校で起こる問題に姿を描いた作品。

 給食中に周囲を不快にさせる言動をとる生徒。良くできた生徒だと思われていた彼がなぜそんな行動に走ったのかを追う「げりみそ」

 給食の不人気メニュー「酢豚」。それが献立から消えてしまうことに対して一人の女生徒が声を上げたことから、学校全体でアンケートを取ることになった――という「酢豚」

 小学四年生の女の子をレイプした、とその子親から訴えられた男子生徒。しかし二人は合意の上で――という「教育的指導」

 以上の三編を収録。
 理想に燃える熱血漢でもなければ、湿っぽい人情家でもない鈴木先生のキャラクターが実にいい。
 起こった問題に対して問題の原因は何なのか、そしてそれに対して自分はどうすることが効果的なのか、そしてそれは生徒達にどう受け取られるのか、を考えて真摯に生徒達と接し、きれい事だけで済ませない鈴木先生の言葉と行動には実に説得力があります。
 その言葉を導き出すまでに悩み、思考しまくる先生が実に人間くさくてまた良いなあ。
 教え子相手に性的なものを感じてしまう部分も含めて。

 
鈴木先生 1 (1)鈴木先生 1 (1)
武富 健治

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2007年01月14日

「コミックビーム」2007年2月号

 タイム涼介「アベックパンチ」が巻頭カラーで新連載開始。イサキとヒラマサという喧嘩に明け暮れる不良少年達の青春物語――となっていくのでしょうか。前作「あしたの弱音」でも見られた「はぐれ者のリリシズム」とでも言うべき滑稽さと物悲しさを併せ持つ言葉が、独特のリズムで以て全編を覆っております。とてもいいなあ。

 森薫「エマ 番外編」エマと一緒にメルダース家でメイドをしていたターシャにスポットを当てた話。休暇をもらって実家に帰ったターシャ。兄妹それぞれが結婚や仕事で自分の進むべき道や目標を明確にしている中で、メイドを続けていく自分の意義を自問するターシャ。本編での明るさと、少しセンチに悩むこのエピソードの姿の対比が印象的。締め方がまた巧い。

 入江亜紀「群青学舎」。ルーサーとグゼニア、それぞれの相手に対する想いが語られる北の十剣第4話。次回の完結に向けて大きく歯車が動いた印象。女としての姿をさらけ出した後、笑顔の中に強い意志を秘めたグゼニアのラストのコマが、キャラクターの性格を端的に示していて実にいい。

 読み切り、カイトモアキ「ゲーム夜話」。微妙なゲームを「斜め上の面白さ」と言って面白がる友人と、己を比較してゲーム乞食とゲーム侍と評する男。しかし、その根っこでは――。うぅむ、ネタが2回転半くらいしているなあ。毎回毎回、この人の短編は面白い。一度見たら忘れられないこの濃いぃ絵柄は大変に魅力的ですな。好き嫌い分かれそうですけど。

 奥村編集長から漫玉日記の最終回に言及がありますが、うぅむ、やはり玉さんは相当参ってたんだなあ。ゆっくり休んでほしいものです。
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2007年01月12日

土山しげる『喰いしん坊!』(11)

 「喰いワングランプリ」第2ラウンドは超巨大ピザ対決!
 1ピースだけでも通常の50枚分はあろうかというこの巨大ピザをいかに他人より多く食べられるかを競うフードファイター達。
 しかし、満太郎とハンター錠ニにまたしてもOKFFの卑劣な罠が仕掛けられる。青唐辛子入りの激辛ピザに2人はどう対抗するのか!?

 相変わらずフードファイターの皆さんの素晴らしい戦いっぷりが続いております。もう何が正道で何が邪道やらワケがわからなくなりつつありますが、そのカオスがまた堪らなく楽しい。

 唐辛子を口内に触れないように二枚のピザを貼りあわせて水で流し込む錠ニと、辛さの中和剤としてキュウリとキャベツを食べる満太郎。

 「正道食いとは言えんが、このラウンドを勝ち抜くためには致し方なし!」

 と言い切ってしまった錠ニ。えぇっ?!
 いや、それはそうなんだけれど、本当にそれでいいのかTFF。

 ピザをミキサーにかけて飲もうとした尾暮さんが失敗して「ピザに邪道喰いは通用しない!」とか言ってる隣で、万力の雅がピザを押しつぶして食っているしなあ。

 悪食三兄弟次男が錠ニの異変に気付いたことにより、その身を挺して錠ニを激辛ピザから開放することになりますが、これ美談っていうよりも事実を公表してあげた方がいいんじゃないか、とかいろいろと突っ込みどころ満載で大変に楽しいです。

喰いしん坊! 11巻 (11)喰いしん坊! 11巻 (11)
土山 しげる

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2007年01月11日

「コミックREX」2007年2月号

 上田夢人「アイドルマスターrelation」が連載に先駆けてプレビュー掲載。
 X-BOX360の新キャラを主軸に展開する話になるのかしら。
 可愛らしくも艶っぽい絵柄で大変華やかな絵面の作品。
 未プレイの人も楽しめる作品になるかどうか。

 砂原真琴「セレンディピティ」。REXコミック大賞のストーリー漫画部門賞作家第一作。突然現れた「オルム」という厄災を倒そうと、家宝の斧をふるって戦いを挑む没落貴族の少女シャルロッタと、彼女を見守るの従者インジェ。互いの立場の違いに囚われて、素直になれない二人の関係をファンタジー要素と会わせて丁寧に書いていており、読ませる一作に仕上がっております。60Pの中で実に良くまとまった作品だなあ、と感心。

 武梨えり「かんなぎ」は、ホモ疑惑を経て仁君モテモテルートに。幼なじみの武器を最大限に発揮して仁とくっつくかと思いきや――ぶちこわし。じんわりとしみ通るギャグがとても楽しい。しかし今回でラブ度が急激に上がった来たなあ。

 絶叫「じゅっTEN!!」。三角関係に悩むカナコが遂に意を決してユウスケに告白。王道のラブコメ路線を行っております。が、10円玉達の存在意義がどんどん薄くなっているのは大丈夫でしょうか。

 DNA時代からのアンソロ作家も安定して楽しいですが、この頃新人さんの作品に面白いものが多いなあ、という印象。
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2007年01月10日

桜井のりお『みつどもえ』(1)

 「週刊少年チャンピオン」連載。サディスティックでツンデレな長女、おっぱい好きの運動能力抜群の怪力次女、ミステリアス系でエロ本を肌身離さず持っている三女。
 この個性的な三つ子の小学生が学校で繰り広げるドタバタギャグ漫画。

 かわいい系の絵柄ではありますが、ハムスターに「チクビ」と名付けて「チクビを触りたい!」とか「チクビは敏感なんだ」とか「チクビが立った!」とか言ってるのを見ても分かる通り、そういう漫画です。バカだなあ。(褒め言葉)
 いつも被害に遭う割に偉ぶる長女や、器物は勿論、場の状況すらも破壊する次女、誤解され系の三女と、キャラだけではなく役割も決まっていて「なんともバカであることだなあ!」と実に明快に楽しめます。

 ひたすらハイテンションで破壊的なギャグの勢いで読ませるタイプの作品で、愛らしい絵柄でとっつき易い分、ギャグの好き嫌いは分かれるかも。

みつどもえ 1 (1)みつどもえ 1 (1)
桜井 のりお

秋田書店 2007-01-09
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2007年01月09日

奈須きのこ『DDD』(1)

 『月姫』『Fate』のシナリオライターによる伝奇小説。
 
 精神の変化が肉体の変容を起こす精神病「悪魔憑き」、その悪魔憑きの妹に片腕を奪われ、昼間の記憶が継続できなくなった悪魔祓いの男、彼に義手を与え、世界と隔絶した部屋に棲む四肢を義手義足で補う女と見まごう美貌の青年、悪魔憑きを凌駕する戦闘能力を持つ女刑事、等々。

 酷く大雑把に言えば悪魔憑きによって引き起こされる事件を、片腕の青年・石杖所在が解決するという筋。この1巻では4編の事件を収録。

 派手な設定とキャラで世界を固めておりますが、この1巻ではまだ物語の鍵となるであろう義手や、その義手の持ち主たるカイエの謎が明かされないまま、伏線だけを張って終わってしまうため読後感がどうにもモヤモヤしたものに。
 サプライズを誘う仕掛けもあるものの、読んでいて途中で気付く人も多いかもしれません。
 もうちょっとまとまってから、あるいは完結させてから出すべきだったんじゃないかなあ、と思わないでもありません。
 装飾過剰気味な文章とか、ネーミングセンスとかは好みの問題になるでしょうか。

 しかしまあ、「伝綺」という呼称は常々どうかと思っているのですが如何でしょう。講談社文三よ。


DDD 1DDD 1
奈須 きのこ こやまひろかず

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posted by 凡鳥 at 00:39| Comment(0) | TrackBack(1) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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